シャンシャン中国に送るエキスパート集団の正体 コロナ禍で延期、来年2~3月に直行便で四川省へ
シャンシャンが日本を出る前は上野動物園で検疫をする。検疫期間は1カ月ほどになりそうだ。検疫は室内で行われ、その間も観覧できる見通しだが、動物検疫所との調整が必要なので、現時点でははっきりしない。具体的なシャンシャンの出発日と公開終了日は今後、発表される。
シャンシャンは輸送箱に入って中国へ運ばれる。上野動物園で生まれたパンダが中国へ行くのは、ちょうど30年前の1992年11月13日に北京へ旅立ったユウユウ(悠悠)に次いで2例目。ユウユウが中国へ行ったときの体重は124kg。1972年10月28日にカンカン(康康)とランラン(蘭蘭)が中国から来日した時よりも重く、輸送箱のサイズも大きかった。シャンシャンの輸送箱も、体格に合わせたものになるだろう。
ちなみにカンカンとランランが来日時に使った輸送箱は、塗装など一部を修復して、2022年10月28日から上野動物園で展示している。この日はパンダが初めて日本に来て50年の記念日だ。
定期便かチャーター便か
シャンシャンの行き先は四川省で、候補地は都江堰(とこうえん)、臥龍(がりゅう)、雅安(があん)。都と上野動物園によると、どこになるかは決まっていない。いずれの場所でも、成都の空港に着いて、そこから車で向かうことになる。
シャンシャンが乗る中国行きの飛行機は、直行便が濃厚だ。定期便かチャーター便かは調整中。上野動物園によると、コロナ禍以降、チャーター便で日本から中国に入ることは原則不可能だったが、現在は可能になったという。
成都への定期便はコロナ禍で運休していたが、2022年8月20日から四川航空が運航を再開させた(参照:「成都便再開でパンダ中国行きに現実味も残る課題」)。
在中国日本大使館の調べによると、11月15日時点でも、成都直行便を運航しているのは四川航空だけ。全日本空輸(ANA)などは再開させていない。四川航空は、成都―成田便を週1往復、土曜日に運航している。
和歌山県・アドベンチャーワールドで生まれた3頭のパンダが2017年6月5日に中国へ旅立った際は、同じ飛行機に乗ったファンもいた。現在、中国は観光客の入国を原則認めておらず、この措置が続けばシャンシャンと同じ飛行機に乗るのは難しいが、いずれ会いに行けるだろう。
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