北朝鮮のミサイル発射に金王朝の意思が見える訳 日本の安全保障上の脅威をどう考えたらいいか

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松山キャスター:ポーランドへのミサイル着弾という事態は、(ロシアによるウクライナ侵攻が)NATO全体を巻き込む全面戦争になりかねないとの危険性を露呈した。

玄葉氏:今回、ロシアもNATOもかなり慎重に対応した。細心の注意を払っていると感じた。ウクライナ支援を続けることができるのは、各国の世論という背景があるからだ。ゼレンスキー大統領に対して各国の世論は今好感を持っているから、ウクライナ支援疲れがあっても、何とかみなウクライナをバックアップしている。それができなくなると、非常に状況が厳しくなるので、ゼレンスキー大統領は(自身の主張が)違っていたら素直に謝罪することが望ましい。

NATO諸国が感じた全面戦争の可能性

松山キャスター:今回のポーランドへのミサイル着弾を受けて、欧州各国でNATOが巻き込まれる危険性を懸念する声や、停戦を求めるべきだという声が一部で上がっているようだ。

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松川氏:今回、一歩間違えれば本当にNATOが巻き込まれて全面戦争になる可能性だってあるのだということをひしひしと多分多くのNATO諸国が感じたと思う。今回のロシアによるウクライナ侵略に関する西側の態度はきわめてはっきりしている。ウクライナ領内で頑張ってもらう、そのための支援はする、でも、決してエスカレーションがNATOに及ぶことになってはならない、核もだめ。一歩間違えれば、これがやすやすと破られる可能性があるということを感じたはずだ。ゼレンスキー大統領は、ウクライナのミサイルであると判明した場合、はっきりと謝罪して、きちんとした態度を示さないと、これ以上ウクライナに肩入れして行くことに疲れる民主主義国が出てくると思う。そこをきちんとしないと逆に(ウクライナは)NATOを引き込もうとしているのかという疑念を持たれかねない。フランス、トルコ、インドなどが「停戦を」と言っている。アメリカも本当は停戦を模索するべきではないかと思っている節がある。ただ、今はウクライナが戦う意思を示しているので、支援していくことは変わらないと思う。だが、ウクライナが戦争を継続できているのは武器供与があるからだ。これが途絶えないようにすることがウクライナにとって必要なのであれば、(ミサイルがウクライナのものだとの)結果が判明したら、速やかに真摯に謝罪をすることは必要だ。ロシア(の侵略)がすべての原因であることは間違いないことではあるのだが。

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