センバツ出場校「もやもや選考基準」が続く不可解 選考ガイドラインは導入されてもいまだ不透明

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以後も「春の甲子園」は、「夏」とは異なり、予選を持たない大会として存続してきた。最終的には選考委員の判断で出場校が決められるのだ。

2001年から「21世紀枠」として地域で奉仕活動をしているとか、学校の成績が良いとか、少ない人数で頑張っているとか、野球以外の「徳目」で選ばれる制度が設けられたのも「夏とは異なる独自性」を強調するためではあろう。

しかし、その結果として今春の聖隷クリストファー高のように「秋季大会」で好成績を残しても選ばれない学校が生まれる。

選考委員は「試合内容などを総合的に判断して」大垣日大を選んだとしているが、うがった見方をすれば聖隷クリストファーは「校風、品位、技能」で、大垣日大に劣っていたのか、ということにもなりかねない。

新基準「野球に取り組む姿勢なども評価対象」

新基準では「試合内容については、技術面だけでなく、野球に取り組む姿勢なども評価対象とする」となっているが、「負け方」がポイントだと考えている高校野球指導者は多い。同じ負けるにしても「試合を投げたような負け方」で大敗するのは、心証が悪い。接戦で負けるか、せめてコールド負けは避けたいと思うようになっている。

それ自体はおかしくないが、スポーツではときとして実力以上に大敗することもある。本来ならば選ばれるべきレベルを有し、選ばれるべき順位まで勝ち進みながら、たった1試合の「大敗」で、「甲子園に出場するのはふさわしくない」と決めつけられるのは理不尽だと感じる指導者は少なからずいる。

また「21世紀枠」にしても、その選出方法は不透明だ。昨年の選抜大会に出場した静岡県立三島南高校は、幼稚園、保育所などに出向いて「野球教室」を地道に続けたことが評価された。三島南高校の稲木恵介監督は今季から富士高校監督に転任し、引き続き幼児の「野球教室」を行っているが、同じ『ネタ』で続けて選ばれることはないだろう。どんな「徳目」が、21世紀枠の選考委員の目に留まるかは予想できない。

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