「やる気がすぐしぼむ人」が知るべきただ1つのコツ 記憶のプロが教える、人生を変える「記憶法」

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先ほど紹介したように、「仕事や勉強を始めなければ」という意思決定を行なう際は、まず「速い記憶」が状況を整理します。その際、遅い記憶にこのマイナスイメージが保管されていれば、速い記憶はその情報をピックアップしてきます。すると、このイメージが継続的に意識に上ることになり、勉強を始める原動力が維持されるというしくみです。

難しい課題のハードルを下げる「細分化」とは?

ここまで「速い記憶」と「遅い記憶」のしくみを理解したみなさんに、実際の仕事や独学で役に立つマインドセットをお伝えしましょう。

ボリュームが多く、長い時間を要するものに取り組むには根性がいりますが、そんなときの重要な指針に「細分化」があります。細分化とは読んで字のごとく「細かく分けること」です。

『人生が変わる 大人の独学記憶術』(KADOKAWA)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします 

エジプトのピラミッドも中国の万里の長城も、完成した姿だけを見れば人知を超えたものを感じる壮大な建造物です。しかし、これらの建造物も細分化して見ると、1つひとつのブロックが積み重なってできていることがわかります。

一説によると、万里の長城は全国各地から集められた作業員をグループに分け、グループごとに工事を進めていったのだそうです。それぞれのグループには小さく区切られた受け持ちの範囲がありました。つまり、その工区が各グループの当面の目標というわけです。

では、なぜこのようなシステムをとったのか。それは、作業員たちのモチベーションを落とさないためでした。彼らは小さな工区が完成するごとに達成感を味わうことができました。この短いゴール設定が、結局は長期間にわたる工事へのモチベーションを維持することにつながったというわけです。

つまり、仕事や勉強に取り組む際は、「何時まで」や「何ページ」など、事前に具体的な時間や範囲を決めておくとよいでしょう。「細分化」を、目標を実現させるための重要な考え方として、ぜひ活用してみてください。

以上この記事では、「遅い記憶」と「速い記憶」の性質を生かし、仕事や勉強に対する「モチベーション」を高め・維持する方法について解説しました。

自身の裁量が大きいリモートワークやおうち時間を充実させるためには、モチベーションを操るスキルが必要不可欠です。そして何より、人生の豊かさもモチベーション次第で変わっていく。仕事や勉強を充実させたい今のこの時期、ぜひ活用してみてください。

池田 義博 記憶力日本選手権大会最多優勝者、世界記憶力グランドマスター

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いけだ よしひろ / Yoshihiro Ikeda

一般社団法人記憶工学研究所 MEI 所長。ライフキネティック日本支部アンバサダー、アクティブ・ブレイン協会テクニカルディレクター。50万部突破のベストセラーシリーズ『見るだけで勝手に記憶力がよくなるドリル』(サンマーク出版)など著書多数。テレビやラジオの出演も多い。
池田義博オフィシャルサイト
https://ikedayoshihiro.com/

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