日本で「タイBLドラマ」がこれだけ盛り上がるワケ タイ国政府観光庁の担当者に聞いた人気の裏側
現在は俳優の来日イベントやコンサートツアーなども多く開催されていて、必ずしもタイに行かずとも日本で俳優と会える機会がある。しかし、村井さんは「今後はタイ本国でのドラマイベントに合わせたツアー」や「小規模で俳優と触れ合えるタイツアー」に力を入れたい考えている。タイ国政府観光庁ならではのツアーで、タイBLをきっかけにタイへの旅行者を増やしていきたいという。
放送権とジオブロックで伸び悩むタイBL市場
盛り上がりが続くタイBL市場だが、今後日本で広まっていくうえでは障壁もある。そのひとつが、YouTubeへのジオブロックだ。
これはYouTubeに上がったコンテンツについて、特定の地域からの視聴を制限する機能のこと。タイBLの放送権を得ている各社の配信サービスは、タイからアップロードされたドラマの動画にジオブロックをかける動きが一般的となっている。
「YouTubeで無料で見られたおかげで人気化したタイBLですが、日本の放送会社が動画にジオブロックをかけていることで、新しいドラマを気軽に見ることが難しくなっています。そのため、何種類ものドラマを見るためには複数のサービスに加入する必要が出てきました。これが理由で視聴から遠ざかる人も。無料で全話は無理とはいえ、例えば1話だけでもYouTubeで見られるようにするなど、日本でドラマを配信する放送会社側も入り口を作ってもらえたら……」
大手配信サイトのNetflixやAmazon PrimeなどでもタイBLを見ることはできるが、本国の放映から早くても半年以上かかったり、ドラマの数が少なかったりと課題は山積みだ。
10月1日以降より、タイへの入国はワクチンの接種証明や陰性証明が不要となり、ビザなしでの滞在期間が30日から最大45日に延長された。そしてタイから日本への入国は、ワクチンの接種証明書(3回)を所持している人は陰性証明書が不要に、所持していない人は出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書があれば帰国が可能となった。一時期に比べてはるかに規制が緩和されている。
現在はLCC(格安航空会社)の運航が減便されており、コロナ禍以前ほどの航空便はまだ復活しておらず、航空券が高額という問題はあるものの、現在タイへの飛行機やパッケージツアーの予約などは希望者が増加している。
人の行き来が増える中で、タイBL人気はどうなっていくか。番組の視聴環境など、さまざまな課題への対応が、人気の今後に大きく影響することは間違いない。
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