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「アピールポイントは3つに絞れ」の驚くべき根拠 論文マニアがビジネスの常識を本気で検証した

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  • 川上 徹也 コピーライター、湘南ストーリーブランディング研究所代表
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ちなみに③の場合、回収率が高いだけでなく、より早く、詳しくて丁寧な回答がなされたということです。

これは、たんに付箋が目立ったというだけでなく、そこに個人的なメッセージが書かれていたことに意味があったようです。

教授たちは付箋を見て、「自分への特別な依頼である」という印象を持ったのです。

付箋にメッセージを書いて貼るのは、そんなに手間ではありません。しかし受け取る側は、送り主の手間や心遣いを感じて心が動くのでしょう。

「理由にならない理由」でも言わないよりマシ?

あなたは何か提案をするとき、どれだけきちんと理由や目的を相手に伝えていますか?

ユタ大学のヤコブ・ジェンセンらは、何も言わずに寄付を募るよりも、「私たちは500ドルを調達しようとしています」と伝えたほうがより多くの寄付を集められることを実証しました。

では、わかりきった理由であっても伝える意味はあるのでしょうか。

ハーバード大学の心理学者エレン・ランガーが1978年に行った有名な実験をご紹介しましょう。

これは、コピー機の順番待ちをしている列の先頭に行き、次の3通りの方法で、割り込ませてもらえないかお願いするというものです。

① 5枚だけなので、先にコピーをとらせてもらえませんか?(要求のみ)
② 5枚なのですが、急いでいるので、先にコピーをとらせてもらえませんか?(明確な理由を示す) 
③ 5枚なのですが、コピーをとる必要があるので、先にコピーをとらせてもらえませんか?(理由にならない理由を示す)

これら3つの要求に応じてくれた人の割合は、次のようになりました。

60%
94%
93%

驚くべきは、ほとんどの人が、「コピーをとる必要があるので」という、理由にならない理由でも、割り込みを承認してくれたということです(並んでいる人は全員コピーをとる必要があるはずですよね)。

つまり、人にお願いするときは、単に「○○してもらえますか?」と頼むより、どんなわかりきったことでも「××なので、○○してもらえますか?」と理由をつけてお願いすると、イエスと言ってもらいやすくなるということが証明されたのです。

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【絶対に忘れられたくないときに使う裏技】

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