「アピールポイントは3つに絞れ」の驚くべき根拠 論文マニアがビジネスの常識を本気で検証した

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さて、結果はどうだったでしょう?

実験の結果、アピールポイントが3つの広告が、すべてにおいて(政治家も!)、抜きん出てポジティブな評価が下されました。

アピールポイントが3つまでならその数に比例してポジティブな評価が上がり、4つ以上になると評価は逆に下がっていったのです。

このように、「3」という数字には不思議な力が働きます。

たとえば牛丼チェーン吉野家のキャッチフレーズ「うまい、やすい、はやい」も、3つのポイントに絞っていますよね。

ちなみにこれは余談ですが、吉野家の3つの単語の順番は、実は時代によって変わってきているのをご存じでしょうか?

●~1990年代前半  「はやい、うまい、やすい」
●1990年代半ば~  「うまい、はやい、やすい」
●2000年代半ば~  「うまい、やすい、はやい」

これは、その時代時代で吉野家が大切にしているセールスポイントの順番です。

訴求ポイントは3つに絞って強い順に並べるのも、伝え方のコツと言えるでしょう。

自分だけに向けられた言葉はうれしい

文書でお願いをするとき、付箋をつける人があなたの周りにいませんか?
その人は、どんな人でしょうか。

もしその人がいつも円滑に仕事を進めているとしたら、それは偶然ではないかもしれません。

サム・ヒューストン州立大学のランディ・ガーナーが行った実験があります。

これは、教授たちに煩雑なアンケートをお願いするというもので、同一のアンケートを、3パターンの依頼の仕方に分けて行われました。

① 印刷された依頼文とアンケート用紙のみで依頼
② 印刷された依頼文の右上に、「少しお時間をいただきますが、アンケートにご協力ください。感謝します!」と手書きで書いてアンケート用紙と一緒に依頼
③ 印刷された依頼文と、アンケート用紙に②と同じ文章を手書きで書いた付箋を貼って依頼

さて、回収率にどれだけ変化があったでしょう? 答えは……。

① 教授たちの36%がアンケートを提出
② 教授たちの48%がアンケートを提出
③ 教授たちの76%がアンケートを提出

付箋に手書きでお願いや感謝のメッセージを書くだけで、なんと倍以上の回収率になったのです。

依頼文に手書きで同じ文章を書いても約10%しか回収率が増えなかったことと比べると、驚くべき効果ではないでしょうか。

次ページ③の場合はプラスの効果が
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事