週刊東洋経済 最新号を読む(5/16号)
東洋経済オンラインとは
キャリア・教育

「アピールポイントは3つに絞れ」の驚くべき根拠 論文マニアがビジネスの常識を本気で検証した

7分で読める
  • 川上 徹也 コピーライター、湘南ストーリーブランディング研究所代表
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

学校で、授業の内容より余談のほうが記憶に残った経験はありませんか? これにはれっきとしたエビデンスがあることを、最後にお伝えしましょう。

ダエメン大学の心理学者リチャード・カンバロらは、大学生に60語の単語を記憶させる実験を行いました。

絶対に忘れられたくないときに使う裏技

そのとき、半数の学生には「絶対忘れてはいけない」とプレッシャーを与え、もう半数には「忘れてくれていい」と声かけをしました。

さて、どちらの学生のほうがいい成績だったでしょうか?

結果、「忘れていい」と声をかけられた学生のほうが、4%以上成績がよくなりました。

つまり、本当に覚えておいてほしいことは、「忘れてもいいよ」と言ったほうが記憶にとどめてもらえる可能性があるのです。

もう1つ別の研究もご紹介しましょう。

ブラウン大学のエドワーズ博士らは、架空の事件の裁判記録を大学生に読ませ、「あなたが裁判官ならどんな判決を下すか?」と問いかける実験を行いました。

『面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は? 人を動かす伝え方50の法則』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

それは残虐な事件でしたが、約半数の学生には何も言わずそのまま読ませ、残りの学生には「文章の感情的な部分は無視して」と伝えてから読ませました。

するとやはり、こちらも不思議な結果が出ました。

無視するよう言われたグループのほうが、何も言われなかったグループより大幅に厳しい判決を下したのです。

つまり、「感情的な部分は無視して」と言われたことで、むしろ「感情的な部分に引きずられた」わけです。

これらの2つの研究からわかるのは、人は「忘れてくれていい」「無視してください」などの言葉をつけたほうが、記憶に残ったり、その言葉に影響されたりしやすいということです。

実際に、ここまで読んでいただいたあなたは、冒頭の「吉野家の話」が一番印象に残っているのではないでしょうか?

実際の伝える場面で実践するもよし、行動心理学の知識として持っておくもよし。ぜひ、あなただけの「伝え方の法則」を見つけてみてください。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象