マスク氏の「Twitter大量解雇」が暴挙でもない訳 このままでは黒字化もキャッシュフロー改善も厳しい
しかし、その後に差し引かれるコストとして下記がある。
売上原価:18億ドル=2700億円
研究開発費:12億ドル=1800億円
販売費:12億ドル=1800億円
一般管理費:6億ドル=900億円
上記がそれぞれかかっている。これらに訴訟関連費用を減じると営業損失が出る計算だ。
(外部配信先ではTwitterの収益状況を示した図表など画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
Twitterの財務レポートによれば、下記の通りの説明があり、それらは人件費の塊であるとわかる。つまり収益に対して人件費の重みが最終損益を赤字にしていたのだ。
人件費がひたすら重い
売上原価:インフラ、ソフトウェア、ネットワーク機器の減価償却費を含むが、一部がオペレーションチームへの報酬
研究開発費:研究開発に関わるエンジニアの報酬が大半
販売費:セールスやマーケティングにかかわる人材への報酬が大半
一般管理費:役員、財務、法務、人事等にかかわる人材への報酬が大半
赤字にいたる費用の多くは人件費であり、さらにコストへかなりの比率を占めるとわかる。
なお公平に付け加えておけば、この純損失と実際の現金の減少はイコールではない。Twitterが経営危機に陥っているわけではない。現金及び現金同等物は22億ドル(3200億円)ほどを有している。
ただしこれも付け加えておけば、営業活動(=本業によって稼いだキャッシュ)は2019年度に13億ドル(1900億円)だったところ、2020年度は9.9億ドル(1450億円)、2021年度は6億ドル(880億円)と減少していた。これは研究開発費等の増加による。
このような試算は机上の空論だが、もし半分の従業員を解雇しても同等の収益を上げられれば当然ながら利益もキャッシュフローも劇的に改善することになる。
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