2004年と2021年とを比べると、図表1、2に示すように、貿易収支は、2004年の1104億ドルの黒字から、2021年の148億ドルの赤字へと1252億ドル悪化した。
(注:これは、貿易統計ベースの数字だ。国際収支統計では、2021年の貿易収支は黒字になっている)
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ここには、原油価格上昇の影響がある(鉱物性燃料の赤字は 962億ドルから1457億ドルへと、496億ドル増加)。
構造要因は、鉱物性燃料による赤字増の1.5倍
そこで、鉱物性燃料を除く貿易収支を見ると、図表2の最下欄に示すように、2065億ドルの黒字から、1309億ドルの黒字へと、756億ドルの縮小だ。これは、鉱物性燃料の赤字増496億ドルの1.5倍になる。
このような傾向的な変化が生じていることが大問題である。
これは、日本経済の構造変化によって生じたものだ。
円安を進めたアベノミクスは、ドル建てで見た貿易収支を改善せず、むしろ悪化させたことがわかる。
上で見た756億ドルの黒字縮小は、何によって引き起こされたのか?
図表2は、2004年と2021年の輸出・輸入差額を、財別に示したものだ(いくつかの財を省略して示してある)。
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