「もしかして老眼かも?」5つのチェックリスト 意外と知らない疑問点を眼科専門医に聞く
老眼は40代半ばから始まる
小さい文字を見るときに、腕を伸ばして距離を調節する仕草。
「老眼鏡に関する調査(Zoff 調べ)」では、この仕草が「老けて見える」と感じる人は約7割、平均して「50歳以上に見える」という結果が明らかになりました。とはいえ、実際には40代半ばからすでに老眼の症状が出始める人が多いそうです。
歳をとると近くが見えづらくなるというイメージはあるものの、そもそも「老眼」とは医学的にどのような状態なのでしょうか。林田先生によると、目の中にある“水晶体”、カメラでいうとレンズに当たる部分が年齢と共に硬くなってしまうことで、その調節力が低下してしまいピントが合わなくなった状態を「老眼」というそうです。
「元々、水晶体は非常に弾力性に富んでおり、生まれてから幼少期までは全員が遠視、つまり無限遠方にピントが合っている状態です。遠くにピントが合った状態から近くを見るためには、目の中の毛様体という筋肉を収縮(緊張)させてレンズ(水晶体)を分厚くする必要があります。
若いうちは毛様体筋の働きだけで充分に水晶体の厚みを出すことができますが、年齢とともに水晶体が弾力を失い、硬化してしまいます。一般的には40代半ばごろから、いくら毛様体が緊張・収縮してもレンズが薄いままで、近くを見るために必要なだけの厚みを出すことができなくなるのです」(林田先生・以下同)