企業が食指を動かす「無人AIアバター」本当の実力 「メタバース」の商業利用を考える人々の思惑

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2022年8月30日の発表後は、金融機関やメーカー、フリーランスのクリエイターにいたるまで、さまざまな企業・個人からの問い合わせが殺到したという。中にはメタバース事業を計画したけど一度は断念、だからこそ課題が明確になっている企業の問い合わせもあったそうだ。

「こういう風に使えないだろうか、といった具体的なアイデアまでお持ちの企業様もいらっしゃいました。今後はそういった方々といろいろな企画を進めていきたいと考えています」(今宮氏)

AIが人間の仕事を奪う?

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近年、AIが人間の仕事を奪うという話題で盛り上がることが多い。今後増加していくであろうメタバースでの在宅接客アバターワーク業が本格化する前に、AIがその仕事を奪っていくのではという考えもできる。しかし実験的に、低コストでメタバースビジネスにチャレンジしたい企業にとってAI音声対話アバターは頼れる存在となるはずだ。辞書データ・行動データに登録されていない問いかけ内容を記録しておけば、アップデート時の参考情報ともなるし、AI音声対話アバターでのロケーションテストの結果から、アバターワーカー用の業務マニュアル作りもスムースに進むだろう。日中はアバターを人間が操作して、営業時間外になったらAI音声対話アバターとなるように切り替えて24時間対応を行うといった協調も考えられる。

メタバースショップで買い物をすることが当たり前となる時代。AI音声対話アバターの後続技術が現場で働いているかもしれないとも考えると、なかなかワクワクする未来だと思えてならない。SFコンテンツ好きとしても応援したい。

武者 良太 フリーライター

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むしゃ りょうた / Ryota Musha

1971年生まれのガジェットライター。90年代に出版社勤務の後、フリーライター/カメラマンとして独立。スマートフォン、モビリティ、AI、ITビジネスからフードテックなど、ハードウェアレビューから、ガジェット・テクノロジー市場を構成する周辺領域の取材・記事作成を担当する。元Kotaku Japan編集長。

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