乙葉さん「子供扱いしない・否定しない」子育て観 手紙でやりとり、スキンシップも大事にする

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(撮影/眞板由起)

「娘は小さいときから本好きで、『どこか出かけたいところはある?』と聞くと、『本屋さん』と答えるような子どもでした。気づけばお互い本の話をしていたりするのですが、好きな音楽や好きな食事と同じように、本の場合も娘は私よりも夫の読む本のほうが好きみたいです。小学校の低学年くらいに星新一さんの世界にハマって、その次は赤川次郎さんの探偵ものに。私とは読書傾向が違うと知ってはいたのですが、いちばん驚いたのは、クリスマスプレゼントに『芥川龍之介全集』をリクエストされたことでした。

『クリスマスに何が欲しい?』と聞いたらそう答えが返ってきて、これには私も『えっ、ほんとに?』と驚きました。本人はものすごく関心をもって資料館に行ってみたり、私に『この本ってこういう考え方でいいのかな? どう思う?』などと質問してくることもあります。私自身は、現代のエッセイや新刊が好きなのですが、娘は大正時代や昭和の作家の作品が好きなようで。

私はすぐには的確な答えができない自分にジレンマを感じながら、これだけ私と一緒にいるのに好きなものが全然違うというのも面白いなと思いました。私のそばにいて、私が好きなものをずっと近くで見ているにもかかわらず、ちゃんと娘個人の人格があって、個人として自分の好きな世界を確立している。そう思うととても面白いし、自分の予想を超えてくることだらけの子育てってすごく楽しいなとも思います。

自分の人生を思うように生きてほしい

夫は子育ての面でも私をリードしてくれて、娘に対しては小さなころから子ども扱いをしないようにと、できるだけひとりの人間として尊重することをふたりで心がけてきました。習いごとの強制はしませんが、彼女がやりたいと望んだことはして欲しいですし、将来はなりたいものになってくれたらと思います。本人が選んだ道を実現できるように、そのための環境を整えてあげたいですね。願わくば、自分の人生を思うように生きていって欲しいです。

子育てでしないように心がけていることがあるとしたら、頭から否定することは避けています。『○○しなさい』と、押し付けるような言い方もしないですね。娘のことで何か少しでも気になることがあったときは、すぐに夫に相談したり考えを聞いてみます。子育ては正解のないものですから、いつでも頼れる存在が近くにいてくれることは大きな安心です」

実は乙葉さんの娘さんは2歳のころからふとしたおりに、手紙を書いて渡してくれるという、可愛らしい習慣をもっている。最初は絵だけが描かれていたのが、徐々に文字が書けるようになり、ひらがなに漢字が増えて、自分の気持ちを伝えられる手紙が書けるまでに成長した。

「うれしかった出来事や、私に対する感謝の気持ち、“大好きだよ”と感情をそのまま伝えてくれたこともありました。どちらかというと手紙というより、メモのようなイメージかもしれません。私も娘への気持ちを手紙にしたりやりとりをすることで、会話とはまた違ったコミュニケーションがとれて、言葉では伝えきれない思いや気持ちを伝えあってわかりあえる、大事な習慣だなと感じています。

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