志望理由聞く面接官こそ働く意味を答えられるか 就活で面接する先輩社員も仕事で悩んでいる

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生産性を上げろ・効率を上げろという号令は至極まっとうで、サラリーマンはそれに反論できません。ただし、企業が掲げる「生産性向上」は、単なるスローガンで、そもそも生産性の定義が明確にされていないし、生産性を測る指標もあやふやなケースがとても多いです。

つまり、ゴールがアバウトなのです。これでは仮に生産数量を増やすことができても、同じ仕事を短時間でできるようになったとしても、本当の意味で生産性が上がったかどうかはわかりません。

さらに、そもそも論で言えば、それは企業都合の指標です。生産性を上げることは企業の目標になるかもしれませんが、それをぼくら個人が自分の目標に置き換えてはいけません。ぼくら個人が目指すものが「企業の生産性向上」であってはいけないのです。

もちろんぼくらは給料をもらっていますので、業務ミッションを達成するように頑張ることは当然必要です。しかしそれはあくまでも自分の会社員としてのミッションであり、自分自身のミッションではありません。

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ぼくらが仕事をするのは、最終的には(身近にいる大事な人も含めて)自分のためです。自分のゴールが最初にあり、それを叶えるために手段として企業に就職したり、自分でビジネスをするのが本当なわけです。言われてみれば当たり前のことですが、この視点が抜け落ちている議論を頻繁に聞きます。

「働き方」の主語は、労働者です。労働者の働き方が議論されるべきなのに、個々の労働者の個人ミッションが無視され、企業の生産性を上げろ、効率化せよ、残業を減らせ、のような話に終始しています。それが労働者自身のゴールと一致していれば問題ありません。しかし、そうなってはいません。

現在の「生産性・効率性向上」を達成させたところで、自分のためにはなっていません。ぼくらは自分のための「自己生産性」を上げる、つまり自分自身が求めるもののために働くことを考えなければいけません。

木暮 太一 ビジネス書作家、出版社経営者、投資家

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こぐれ たいち / Taichi Kogure

1977年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。学生時代から複雑な物事を言語化し、シンプルに表現することに執着を持ち、大学在学中に『資本論』の解説書を自作し学内で大ヒットさせる。リアルな現場と経済学の両面から、個人が幸せに生きるための働き方を分析し提言している。コミュニケーション、投資、個人ビジネスの立ち上げ手法を構造化・言語化し累計5万人以上に指導。また出版コンテンツへのコンサルティングも行い、延べ1000冊以上プロデュース。著書に『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』(講談社+α文庫)など。趣味はハワイ。

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