永遠に仕事できない「応用力がない人」共通4大NG 「私、教わってないので」って…学歴より重要!

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「応用力」につながる「普遍性の高い学び」をするには、つねに「仕事の背景と目的」について、自身で腹落ちさせる「習慣」を身につけることです。

仕事を課されたとき、たんに言われたとおりこなすのではなく、

「その仕事は何のためにやるのか」
「本質的な目的は何か」
「なぜこのやり方を行うようになったのか」


 を掘り下げて考える

そして、「その仕事の前工程と後工程との関係は、どのようなものか」「顧客とはどのようにつながっていて、提供する価値は何か」……など、さまざまな角度からとらえ、「仕事の意味合い」を腹落ちさせながら学んでいく。それが「普遍性の高い学び」です。

【秘訣】「個別具体」と「普遍」を往還する「チャンクアップ・チャンクダウン思考」を身につける

このとき、「普遍性の高い学び方」のひとつのポイントは、「個別具体的な経験を『普遍性の高い学び』に結びつけていくこと」です。

個々の仕事の背景や目的を考えながら、それらを俯瞰して共通するものを見出し、普遍性を導き出します。

このように、「個別具体」から「普遍的な抽象的概念」を導くことを「チャンクアップ」といいます。「チャンク(Chunk)」は「大きな塊」を意味します。

反対に、「普遍的概念」から「個別具体」にブレイクダウンすることを「チャンクダウン」といいます。「個別具体」のケースを「普遍的概念」に結びつけ、その「普遍的概念」により、「新たな個別具体」のケースを意味づけます。

「学びの普遍性」を高め、「応用力」につなげるには、「個別具体」と「普遍」を往還する「チャンクアップ・チャンクダウン思考」の習慣を身につけることが大切になるのです。

出所)『キャリアをつくる独学力』より

「独学力」においても「応用力」は重要

これからの社会で必要不可欠となるのは「応用力」、そしてそれにつながる「普遍性の高い学び」です。そして「応用力」は、「独学」に欠かせないものでもあります。

仕事が新たな局面を迎えても、これまでの仕事で「普遍性の高い学び」を続け、「応用力」が高まっていれば、それが下支えとなります。そのうえで、「独学」を中心にして「必要なスキル」を主体的に習得し、次の成長を目指せばいいのです。

このように、受け身ではない「能動的なリスキリング」で「独学力」を身につければ、どのような局面にも対応でき、また自身のモチベーションも枯れることはありません

変化の激しいこの時代に、みなさんも「応用力」を磨きながら、キャリアと人生をいっきに切り拓く「独学」を続けていってほしいと願っています。

高橋 俊介 慶應義塾大学 SFC研究所上席所員、キャリア論の第一人者

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たかはし しゅんすけ / Shunsuke Takahashi

1954年東京都生まれ。東京大学工学部航空工学科を卒業後、日本国有鉄道に入社。プリンストン大学工学部修士課程を修了し、マッキンゼー・アンド・カンパニ-東京事務所に入社。1993年に世界有数の人事組織コンサルティング会社である米国ワイアットカンパニーの日本法人ワイアット株式会社(現ウイリス・タワーズワトソン)の代表取締役社長に就任。社長退任後は、個人事務所ピープルファクターコンサルティングを通じ、コンサルティング活動や講演活動、人材育成支援等を行う。2022年4月より慶應義塾大学 SFC研究所上席所員。キャリア形成、人材マネジメント、リーダーシップ、働き方改革などに確かな知見を有し、本質を見抜く目に定評がある。

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