芸術と映画で賑わう「京都」観光客復活への想い 寺院や美術館が会場「京都国際映画祭」が開催

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芸人たちがそれぞれのSDGsネタを披露し、その結果、会場の観客とオンライン視聴者の投票により、お笑いコンビの男性ブランコが優勝した。

「SDGs-1グランプリ」で優勝した男性ブランコと審査委員長を務めた西川きよし氏(写真:吉本興業提供)

審査委員長を務めた西川きよし氏は、今年で7回目となった「SDGs-1グランプリ」について「はじめたばかりの頃は、SDGsを観客に理解してもらえるか不安もありましたが、いまは若い人たちにすっかり浸透していることを実感しています。これからも社会のためになることに力を合わせていきたい」と話した。

地域との街ぐるみのイベントとして9年目になる本映画祭だが、今年は映画発祥の地と言われる旧立誠小学校跡地の立誠ひろばで行われている地域の「秋まつり」とも共催。新京極商店街と連携し、ひろばのお祭りステージでは映画祭イベントやシークレットライブが行われ、芸人たちが会場をわかせた。

日本映画発祥の地と言われる旧立誠小学校跡地に立つヒューリックホール京都も映画祭会場となった(写真:吉本興業提供)

さらには京阪三条駅周辺半径1キロ内の演劇場やギャラリー、路上など街中の各所がステージになった。そこでは「路地裏の舞台にようこそ」をテーマに、地元の劇団による演劇のほか、パフォーマーによる路上パフォーマンス、ダンス、アート作品展・個展などがあちこちで行われ、観光客でにぎわう週末の市内を盛り上げた。

映画のほか多種多様な芸術が京都の街を彩ったことに、京都市長の門川大作氏は「映画もアートも発信し、社会問題も解決していく。さまざまなことに挑戦していく志の高い映画祭であり、いまできることをやっていくことで、京都の大きな前進を感じました」と語った。

京都国際映画祭の最終日授賞式に登壇した(前列左から)京都市長の門川大作氏、三船敏郎賞を受賞した竹野内豊氏、牧野省三賞を受賞した北大路欣也氏、京都国際映画祭 名誉実行委員長の中島貞夫監督、(後列左から)同映画祭アートプランナーのおかけんた氏、同映画祭 実行委員長の中村伊知哉氏、同映画祭総合プロデューサーの奥山和由氏(写真:吉本興業提供)

京都とアートイベントは相性がよい

全国各地の映画祭はそれぞれの地域と連携して開催され、各々地元の文化や風土と密接に関係した特徴がある。京都国際映画祭は、かつての京都市民映画祭、京都映画祭の映画文化を受け継ぎながら、2014年からは芸術文化の街である京都の側面をフィーチャーし、映画と芸術を2本柱にする映画祭として拡大してきた。

アートプランナーを務めて9年目になるおかけんた氏は「京都には美術系の芸大も多いほか、京都で盛んな芸術はたくさんあります。それらをイベントに取り込んで発信していくのは自然なこと。京都とアートイベントは相性がいい。たとえば演劇祭でも映画や芸術が連動していて、一緒に盛り上がっていこうという機運があります。それが京都という街の特性であり、空気なんです」と語った。

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