円が対ドルで150円台に下落、32年ぶりの円安に 金融政策の修正を伴わぬ単独介入は失敗する運命
ニューヨーク時間20日午後の外国為替市場で、円が再び1ドル=150円台に下げ、1990年以来32年ぶりの安値をまた更新した。日本当局による再度の円買い・ドル売り介入が入る可能性に警戒が強まっている。
ニューヨーク時間午後2時過ぎの円は1ドル=150円25銭まで下落した。
鈴木俊一財務相は日本時間の20日夕、円が150円台を付けたことを受け、「ボラティリティーに注目してそうした動きがある時には断固たる対応を取るという従来からの考えに変わりはない」とあらためて強調。その上で「投機による過度で急激な変化は容認できない」と述べるとともに、「これからも細かく緊張感持って動向をしっかりと見ていきたい」と語った。
鈴木財務相、断固たる対応取る考えに変わりない
神田真人財務官は同日夜、「一夜に大きくファンダメンタルズ自身が変わることがないとすれば、相場が大きく変動すること自体、危険信号だと考えざるを得ない」と財務省で記者団に話した。為替介入の原資は「無限にあると思っている」とも強調した。
為替の大きな変動自体が危険信号、介入原資は「無限」-財務官 (1)
150円台を付けた後は急速に切り返し、ロンドン時間午後0時30分の時点では前日比ほぼ変わらずの149円76銭。
INGの通貨ストラテジスト、フランチェスコ・ペソル氏は、「日本の当局にとっては難しい状況だ。150円またはその他の水準が許容できない一線だとのメッセージを発することは避けたいかもしれない。このような変動の激しい環境では、リスクを伴う動きだからだ」と指摘。「だが、150円を一気に上抜けるのを放置すれば、日本当局がそもそも避けようとしていた円安方向へのボラティリティー拡大となりかねない。今こそ介入せざるを得ないだろうと思う」と語った。
オプション市場は再度の円買い介入に市場が備えていることを示唆する。短期的な円反転に賭けるポジションが積み上がりつつある。
原題:Yen Traders on Alert for Intervention as 150 per Dollar Beckons、Yen Breaks 150 Level as Intervention Speculation Ramps Up (2)(抜粋)
原題:Yen Weakens Through 150 Per Dollar for First Time Since 1990(抜粋)
(ニューヨーク時間午後の相場加えて更新します)
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著者:Naomi Tajitsu
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