専門家語る「最強の薄毛対策」ポイントは使用方法 1日10円足らずで頭髪を取り戻せる可能性
広告はそこかしこで見られ、誇大な文句が並び立つ。発毛効果をうたう特別なシャンプーやトリートメントのことだ。中には、数千ドルするものまである。しかし、薄毛専門の皮膚科医の多くは、こうした製品のほとんどには効果がないと言う。
「役に立たない発毛製品が無数に存在」し、多くの場合は「かなりの値段」で販売されている——。そう語るのは、イェール大学医学部の皮膚科医、ブレット・キング氏だ。それでも「人々は藁にもすがる思いなので、この手の発毛製品はこれからも大量に売られることになる」。
キング氏やほかの皮膚科医によると、実は安価な治療法が存在する。1日わずか数セントの費用で、多くの患者は失われた頭髪を取り戻せるというのだ。それはミノキシジルという以前からある有名な薄毛治療薬なのだが、ポイントはその使用方法にある。頭皮に塗布するのではなく、ごく低用量の錠剤を内服するのである。
当局未承認だが、アメリカの皮膚科で処方が拡大
低用量のミノキシジル錠剤を処方する皮膚科医は増えているが、この治療法は患者や医師の多くにはあまりなじみがない。薄毛治療目的でのミノキシジルの服用はアメリカ食品医薬品局(FDA)から承認を受けていないため、適応外での処方となる。適応外処方は、皮膚科ではよく行われていることだ。
「私は自分たちのような医師を『適応外処方ゲリラ』と誇りを込めて呼んでいる」と、ジョージ・ワシントン大学の教授で皮膚科長を務めるアダム・フリードマン医師は話す。
フリードマン氏の説明によると、皮膚科医は医薬品の作用を理解できるよう訓練されているため、医薬品の適応外処方を試す能力がある。皮膚科では多くの場合、治療がうまくいっているかどうかははっきりと見極めがつく。例えば、発疹がひいていっていれば治療はうまくいっている、そうでなければ治療はうまくいっていない、といったことだ。