専門家語る「最強の薄毛対策」ポイントは使用方法 1日10円足らずで頭髪を取り戻せる可能性
最近では、加齢で自然に起こる男性型脱毛症や女性型脱毛症の患者に対し、低用量のミノキシジル錠剤を投与する薄毛専門の皮膚科医が増えてきた。
「まさに人気が高まり始めたところだ」。ジョンズ・ホプキンス大学医学部の皮膚科医、クリスタル・アグー氏は「学界では成功例がどんどんと共有されるようになっている」と話す。
薄毛を専門としない医師には、高血圧の患者にまれに用いられるものを別にすれば、「ミノキシジルの内服はなじみの薄いものだろう」とアグー氏は言い添えた。高血圧患者に用いられるミノキシジルには心臓に副作用を及ぼす可能性があるという警告文がつけられているが、アグー氏らによると、それが当てはまるのは薄毛治療目的の低用量をはるかに上回る高用量で使用した場合のことだ。
頭髪がなくなった頭皮に効果はない
薄毛がひどく進行している場合にはミノキシジルは役に立たないとアグー氏は言う。「例えば、頭髪がほぼ完全に失われて、頭皮がてかてかと光っているような男性に効果はない。そもそも復活させられる毛根がないからだ」。
この治療で最も効果が期待できるのは、頭髪が完全になくなっているわけではなく、周囲の人がすぐに薄毛だと気づく程度には薄毛が進行している患者だ、とアグー氏は付け加えた。
もっとも、厳密な臨床試験を行い、FDAから承認を得られない限り、ミノキシジルの錠剤を薄毛治療に用いるのは依然として適応外処方となる。そして皮膚科医らによると、今後もそうした状況が続く可能性が高い。
「ミノキシジルを内服しても、1日に数セントしかかからない」。前出のキング氏はそう言って、次のように断言した。「何千万ドルもかけて臨床試験で効果を確かめる経済的なメリットが(製薬会社には)ないということだ。つまり、そうした臨床試験が行われることは絶対にない」
(執筆:Gina Kolata記者)
(C)2022 The New York Times
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