物価高でもまるで平気な大企業に補助は必要ない 直撃している消費者と負担増の零細企業が犠牲者

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図表1でみたように、製造業では、資本金10億円未満では、すべての資本金階級について、売り上げ原価の増が、売り上げの増を上回っている。ところが、9月18日の記事で示した全産業の場合には、資本金2000万円以上の企業で、売り上げ増が原価増を上回っている。

これは、非製造業では、転嫁が進んでいることの影響だ。

実際、図表2に見られるように、非製造業の場合には、資本金2000万円以上に限れば、あらゆる資本金階層で、売り上げの増加が原価の増加を上回っており、その結果、粗利益が増加している。

非製造業における価格転嫁の状況

これは、非製造業の場合には、下請け構造が製造業におけるほど顕著でないためか、あるいは、下請けが存在するにしても、製造業の場合とは性格が異なるものであるからだろう。

そして、どの資本金階層の企業も、直接に消費者に販売しており、その結果、転嫁が進んでいるのであろう。

粗利益は、資本金2000万円以上のすべての資本金階層の企業で、前年より増加している。増加率も、資本金5000万円以上では、2桁という高い値になっている。

物価高騰の犠牲者は、消費者と零細企業

ただし、資本金2000万円未満の企業は、以上とはまったく異なる状況にある。この資本階層の企業では、粗利益が前年比9.6%という大きな落ち込みになっている。

こうなるのは、この階層では、売り上げが前年より11.3%も減少しているからだ。企業数も前年より1.3%減少している(以上の数字は、表には示していない)。ただし、粗利益減少率は企業数減少率より高い値だから、残存した企業でも、1企業あたりの粗利益が減少したと考えられる。

このように、原価の高騰で苦境に陥っているのは、製造業の零細企業に限ったことではない。非製造業の零細起業も、困難な状態に陥っている。

結局のところ、物価高騰の犠牲者は、消費者と零細企業ということになる。

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