「おもてなし」は1日にしてならず、人手不足の壁 優秀フォーキャスターによる日本経済展望

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内閣府が9月30日に発表した9月の消費動向調査において消費者態度指数(2人以上世帯)は30.8と、前月の32.5から低下した。内閣府は消費者マインドの基調判断を「弱含んでいる」としている。

指数を構成する消費者意識指標では、「耐久消費財の買い時判断」の弱さが目立つ。インフレ懸念が消費マインドを下押しする状況が続いている。7~9月期の消費低迷は感染第7波の影響だけでなく、消費マインド低下の影響も大きそうだ。

インフレ懸念の高まりが消費に影を落とす

消費動向調査の調査項目である「1年後の物価に関する見通し」では、「上昇する」との見通しが過去最高水準にある。特に、「5%以上」の物価上昇を見込む回答割合が急上昇しており、家計のインフレへの懸念が高まっている様子がうかがえる。

インフレ見通しと「耐久消費財の買い時判断」は逆相関しており、家計はコストプッシュによる「悪いインフレ」によって耐久消費財が「不当に割高」になっていると感じているようである。

「割高な買い物をしたくない」という心理が消費を抑制している。したがって、家計の消費マインドが戻るためには、①価格が下落する、②家計の「価格感覚」が修正される、③すでに保有する耐久財が故障などによって必要性が上がる、のいずれかが生じる必要がある。言うまでもなく①価格が下落する、が最も即効性があるのだが、グローバルにインフレ圧力は継続しており、「下落」は見込めない。

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