道交法改正、電動キックボード免許不要の可能性 メーカーの保安基準対応と安全性確保を探る

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ハンドル
ZERO9のハンドルまわり(筆者撮影)

だが、同社では、こうした法改正に対し、ZERO9は対応させず、原付一種のままとし、別のモデルを新たに開発する予定という。理由は車両重量。19.6kgあるZERO9では、特定小型原付としては少し重すぎることが想定されるためだ。特定小型原付としての電動キックボードは、主に街中での近距離移動での活用が想定されるが、「折りたたんでオフィス内に持ち運んだり、家の中で保管したりする場合などの利便性が(ZERO9では)やや落ちる可能性がある」と語る。そのため、新規に、より持ち運びなどがしやすい、車両重量が12~13kgのモデルを開発する方向性だという。

とくにZERO9の場合は、40kmという航続距離を実現する一方、バッテリーが重い。予定する新モデルでは、例えば、バッテリーをよりコンパクトにするなどで軽量化を考えているという。バッテリーが小さくなれば、航続距離は短くなるが、それでも街中の近距離移動でも十分な「航続距離20km程度は確保する」そうだ。

新型の小型電動バイク「Fiido」

Fiido
新型の小型電動バイク「Fiido」の走行シーン(筆者撮影)

さらに同社では、今回の展示会に「Fiido(フィード)」という新型の小型電動バイクも発表したが、このモデルも「新しい特定小型原付の区分に対応可能」だという話だった。

新規定において、特定小型原付は、
・電動である
・最高速度20km/h以下に制限されている
・長さ190cm×幅60cm以内である
・特定小型原付に必要な保安部品が装着されている

という要件を満たせばよく、電動キックボードである必要はない。

外観
Fiidoの外観(筆者撮影)

Fiidoは、車体サイズはもちろん、最高速度も19km/hに設定しているため、規定内に十分収まるというのだ。前述のとおり、保安基準がまだ決まっていないため、必要な保安部品はまだ不明だが、特定小型原付と歩道通行車への切り替え装置なども含め、「対応は十分できる」という考えを示した。

次ページ道交法改正で本当に電動キックボードが普及するのか
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事