道交法改正、電動キックボード免許不要の可能性 メーカーの保安基準対応と安全性確保を探る
加えて、担当者は「とくに6km/h以下で走る歩道通行車の場合、電動キックボードではバランスを取るのが難しい」と課題も教えてくれた。むしろ、Fiidoのような小型電動バイクのほうが、「自転車に乗る感覚に近いため、初心者など幅広いユーザーでも低速でバランスが取りやすく、扱いやすい」という。こうした考えから、同社では、新法規の施行後は、「電動キックボードより、Fiidoの人気が出る可能性も十分にある」とにらんでいる。なお、Fiidoの価格(税込み)は15万9800円だ。
安全性確保の課題を語る「モータリスト」
一方、東京都大田区を拠点とするモータリスト。同社は、もともと海外製バイク(自動二輪車)を輸入販売する企業だが、近年は、電動アシスト自転車や電動キックボードといった電動小型モビリティ製品も手掛けている。電動キックボードでは、自社ブランドの「E-COMMUTER」シリーズとして、360Whバッテリー搭載で航続距離35kmを実現、10インチタイヤを装着したハイエンドモデル「ECS-01」(税込み価格14万3000円)と、8.5インチタイヤ仕様で、軽量な車体などにより街乗りに便利な「ECS-02」(税込み価格9万9000円)を用意。また、イタリアの2輪メーカー「ファンティック」が製造、250Wモーター2基搭載でパワフルな走りを実現する「E-SCOOTER TX2 500W」(税込み価格19万8000円)も扱っている。
同社の担当者も、やはり、まだ保安基準が明らかでないため詳しくはいえないとしながらも、「速度規制などの対応は十分に可能」だという。スワロー同様、モーターを制御するコンピューターの設定変更などで、速度リミッターを設けるなど比較的簡単に仕様変更はできるという。
ただし、電動キックボードの普及が進むことについては懐疑的だ。担当者は、「自転車ですら安全に走りづらい日本の道路環境では、より車体が小型な電動キックボードなどの電動小型モビリティは、走行中の危険度がより高くなる可能性もある」と語る。そして、規制緩和により、一時期は販売台数などが増えたとしても、事故などが増えてしまえば、また規制が強化され、結果的に「ユーザーが増えない可能性もある」というのだ。
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