ひろゆき発言で物議「辺野古座り込み」本当の実態 3年前と変わらない景色、住民の本音とは?
「あれはパフォーマンスだよ」
地元の住民がそうこぼしていた。沖縄県民の誰もが基地の建設に反対というわけでもない。むしろ基地が大きくなって、にぎやかになってほしい、と本音では望む人もいる。それでも、どこか寂しそうに続けた。
「だから、県外から純粋な気持ちで抗議活動に参加しにやって来たのに、半ば失望して帰っていく人もいた」
午後3時になっても、誰も集まらない「座り込み」の現場。ブルーシートの屋根の下に1人の人影を見つけた。待ち合わせの約束をしていて、たまたまやって来たという中年の男性。その人物から誰もいない事情を聞き、そして最後にこう質問してみた。
こうした抗議活動を続けても、工事は着実に進んでいく。そこに意味はあるのですか、と。すると、彼はこう答えた。
「ここの埋め立て工事とほぼ同時期に、那覇空港の第2滑走路の埋め立て工事もはじまった。那覇空港のほうはすでに埋め立ても終わり、いまでは地上の工事に取りかかっている。だけど、こっちはいまでも埋め立てが続いて、3%くらいしか進んでいない。座り込みで搬入口は常時開いているわけではない。その分だけ工期が遅れる。工事を少しでも遅らせる目的でいえば、効果はある」
まるで、クリント・イーストウッドの映画の中で、硫黄島を死守しようとした栗林忠道中将が語った言葉を思い起こさせる。因みに、那覇空港の第2滑走路は2020年3月から運用がはじまっている。
反対運動は停滞している
あれから3年。いまでも同じ「座り込み」活動は続いている。だが、人数は減っているという。
「長期戦だから、人が減るのは仕方ないよ」
そう語るのは、金武町の元町長で、沖縄県の基地問題担当の政策参与も務めた吉田勝廣氏だった。そこにコロナ禍の影響も加わる。
「反対運動は停滞している。だから再構築の必要がある」
反対派の吉田氏の目指すところは、工期を先伸ばすことによって、民意を醸成させるところにあるという。
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