ひろゆき発言で物議「辺野古座り込み」本当の実態 3年前と変わらない景色、住民の本音とは?
基地建設にあたっては、沖縄県民の負担が増えるなど、反対する理由や事情はいろいろあるが、将来を見据えてもっと合理的に考えなければならないところもある。
例えば、アメリカ軍の海兵隊編制の問題だ。世界情勢によって、あるいは大統領選挙で政権が交代すると、アメリカ軍の編制が見直され、変更される。それによって沖縄も振り回される。いま建設中の辺野古の滑走路も必要がなくなる可能性もある。
最新鋭の主力戦闘機はF35だ。このうち主に海兵隊仕様のF35Bは短距離離陸と垂直着陸ができる。これを搭載することによって、海上自衛隊は護衛艦の「いずも」と「かが」を小型空母に改修して、2024年度以降に配備する計画が進む。巨大な滑走路もカタパルトも必要ないからだ。
今から返還されたとして、どう使うのか
辺野古に建設中の滑走路は、岬を挟んで左右を埋め立てて延びる計画だ。だが、埋め立て部分はどうしても地盤沈下が起きる。他方で岬の部分はそのままだ。そうすると、時間が経つにつれて滑走路に段差ができることになる。戦闘機を飛ばすのに支障がでてくれば、無用の長物に終わることも考えられる。そうしたことは、沖縄だけの問題にとどまらない。
しかし、工期が先延ばしになるとしても、すでに埋め立てははじまっている。あらためて基地の見直しに民意が揺れたところで、すでにできあがったものをどうするのか。
「埋め立て途中のものも含めて、全部返還してほしい。そこにリゾート施設を建設する。そうすれば、沖縄も潤う」
3年前に会ったときから吉田氏はそう語っていた。2030年以降といわれる滑走路の完成のころには、世界情勢もどう変化しているかわからない。いずれにせよ、基地建設をめぐって反対する意見は根強く、議論の余地が残ることも、現地で知った事実だ。
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