ひろゆき発言で物議「辺野古座り込み」本当の実態 3年前と変わらない景色、住民の本音とは?

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辺野古の座り込み抗議の現場
3年前に訪れた沖縄県名護市辺野古の座り込み抗議の現場(筆者撮影)

インターネット掲示板「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」の創設者として知られるひろゆき(西村博之)氏が、沖縄県名護市辺野古で埋め立ての進むアメリカ軍基地キャンプ・シュワブの新滑走路建設をめぐって発言したことが物議を醸している。

きっかけは、今月の初めにキャンプ・シュワブのゲート前を訪れたところ、基地建設反対の座り込み抗議の参加者が誰もいなかったことから、抗議日数3011日と書かれた掲示板と笑顔の写真付きで「座り込み抗議が誰も居なかったので、0日にした方がよくない?」とツイートをしたことだった。

私も辺野古には繰り返し訪れてはいるが、同じ場所を直近で訪れたのは、3年前の2019年の6月。まだコロナ禍が日本に襲来する以前のことだった。ひろゆき氏の現場評価はともかく、彼が訪れる3年も前、掲示版の抗議日数でいえば1811日の時点でも、実は誰もいない閑静な状態が続いていた。

まずは、そこで私が体験したことから振り返っておきたい。

フェンスの向こう側からにらみつける警備員

その日も、辺野古の漁港からフェンスで仕切られた海岸の向こう側の基地施設現場をのぞくことからはじめた。

平たい海岸のずっと向こうに、海に迫り出すように白い防波堤のようなブロックが積まれて埋め立て地が広がる。そこに巨大なクレーンが見えたことから、工事の進んでいることがかろうじてわかった。それよりも、フェンスに近づくと向こう側の海岸に制服を着た警備員が1人、これ見よがしに後ろ手に仁王立ちしてこちら側をにらみつけている。のぞくことすら威圧する姿勢に、どこか敵意を覚える。

そこからキャンプ・シュワブに通じる幹線道路にでて、歩いてゲート前に向かった。右手に基地のフェンスが見えてくると、左手の歩道沿いにテントのようなシートの屋根が張り巡らされた一帯が現れる。間違いない。フェンスと対峙する、これが座り込みの現場だ。東京でも座り込みの様子は折に触れて、“徹底抗戦”などの言葉で報じられていた。

沖縄の人たちにとっては、生活に密接する問題だけに放っておくわけにはいかない。それくらいのことは、私にだってわかる。だから、まずはその熱気を知りたかった。その熱い思いから、基地に反対する真意を探りたかった。そのためにここへやって来た。その現場に近づきつつある瞬間。歩みを進める1歩1歩に、期待が高まる。

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