嫌われる退職エントリーを書く人の決定的な欠落 自己愛と承認欲求に溢れる文面に透ける底の浅さ
ところが、「嫌われる退職エントリー」も存在します。
転職はポジティブな理由とは限りません。表向きには言えなくても、多くの場合、職場での何らかの不満、人間関係に起因するものが多いように思います。職場での役割や業務内容、待遇などに満足していて、人間関係がスムーズなら辞める決断にはなかなか至らないものです。
失敗する人はこれをやる
不幸なのが批判や自己喧伝に終始した退職エントリーです。自分の能力を誇示する時点でマウントになります。自撮り写真と同じで、少しでも盛ってよく見せたい心理が透けて見えてしまいます。会社や周囲の人たちに対する敬意や感謝が感じられず、読んだ人から少しでもカッコよく見られたいという自己愛に満ちあふれているような内容です。
多くの場合、責任ある立場を務めたり、何らかの目立つ成果を出していたりしたとしても、その人が1人ですべてできるはずもありません。上役の引き立てがあり、周囲の支援や理解があり、会社の看板やさまざまな経営資源を活用してこそ成り立つもの。場合によっては取引先の力を借りていることもあります。
なのに「これは私が全部1人でやりました」という形で実績を誇っているようなケースは、真相を知る関係者をイラつかせ、いかにも嘘っぽい内容が展開されてしまうのです。
自分の実力や成果をアピールしたい気持ちはわからなくありません。しかし、それが自慢になって、そのまま吐露してしまうと、妬まれたり、会社批判ととらえられたりしかねません。
新天地における抱負や展望を語る場合でも、「周囲に自慢できるか」「有名か否か」「カッコよく見られるか」などが透けて見えるようだと残念です。結果的に実体とかけ離れた虚像は、転職後に自分を苦しめることとなり、どこかで馬脚を露わすことになります。
前職批判を繰り返し意気揚々と転職を行う人は、本人がその問題点に気付いていません。「気が付いたら周囲は敵ばかり」「誰も自分のことを理解してくれない」「この会社には活躍できる場がない」とネガティブスパイラルに陥り、転職することになるのです。35歳くらいまでに腰を落ち着けて成果を出さないとジョブホッパーとなる危険性も高まります。
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