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一介の小売業者がGAFAの攻勢から防衛できた理由 エコシステム戦略は持たざる弱者のためにある

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  • 中川 功一 経営学者、やさしいビジネスラボ代表取締役
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最小限の構成要素で作ったエコシステムの試作品、MVE(Minimum Viable Ecosystem)を、小規模に試してみる。うまくいけば段階的に拡大し、また問題点があれば都度修正をしながら、エコシステムを進化させ続けていくのである。

(出所)ロン・アドナー『エコシステム・ディスラプション』p.11(作成:中川功一)

iPhoneが出た当時を思い出してほしい。ユーザーも、そしてアップル側も、その膨大に広がる可能性をどう消化してよいか、手探り状態だった。そんな中から、ユーザーがどういう使い方をしているのかを学習していき、次第にそのエコシステムが「スマートに」洗練されていった。

物理的なエコシステム戦略といえるイオンモールも、長年のモール事業の中から、消費者が求めるサービスを学習していき、現在の形に仕上がっている。それは、エクセレントな頭脳のひらめきなどではなく、地道な試行錯誤の結果なのである。

エコシステム戦略には巨大なリソースは不必要

いかがだろうか、エコシステム戦略というものが、むしろ持たざる側にこそ可能性を開くものであることが、伝わったなら幸いである。現場レベルでの試行錯誤を積み重ね、足りないリソースを企業連合で補いながら、次第に顧客体験を充実させていく――。このエコシステム戦略のいずれのステップにおいても、巨大なリソースは必要とされない。

なればこそ、私はこの論稿を読んでくださったすべての人に、自社の製品・サービス単体で思考を閉じることなく、その先にある顧客体験の広がりを認識し、新たな戦略オプションを手にしてほしいと願うのである。

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