上司が言いがち「後はやっておくよ」がNG発言な訳 部下を気遣っているつもりでも落とし穴がある
部下がしっかりと責任感を持って進めていた場合、「この仕事に対して、自分はそんなに期待されていなかったんだな」とがっかりしたり、「何がいけなかったのか知りたかったのに」と成長の機会を奪われたように感じて、モチベーションがそがれてしまったりする可能性があるのです。
「部下がこの仕事にあまり乗り気じゃないから、この仕事巻きとってやってあげよう」という優しさで、「あとはやっとくから、いいよ」と言っていることもあるでしょう。しかし、そういう場合でも、やはりこの言葉は悪手です。なぜなら、これを続けていると、どんどん部下は仕事に対しての責任感がなくなっていってしまうからです。
「頼まれた仕事を、最後までやり切った」
「周りの人の力を借りたけれど、最後まで自分が責任を持ってやった」
そういう、ちょっとした成功体験を積んでもらうことが必要なのです。逆にそれがないと、いつまでたっても仕事が「やらされるもの」であるという感覚を捨てられません。最後まで「やり切る」ことをしてもらったときに、その仕事が「自分事」になるのです。
もともと「ここから先は上司自身でやるつもりだった」のであればそのことを事前に伝えておくと、「あとはやっとくから、いいよ」での誤解がなくなるでしょう。
部下にとって「残酷でやる気がそがれる」言葉
例えば、上司の目から見て仕事のクオリティーが低いと感じるときに、「もっと、やる気を出してよ」と言ってしまうことがあるでしょう。しかしこれは、部下からしたら残酷であり、かつやる気が大きく削がれてしまう言葉なんですよね。
上司から部下へのフィードバックの基本は、目標に対して進む中で現状を明確にし、課題や軌道修正するポイントを伝えるものになります。「もっとやる気出して」は目標に対するフィードバックではないので、ポジティブに捉えられるポイントがまったく見つかりません。それだけではなく、至らないポイントがまったく明確ではないため、具体的に何をしていいかわかりませんよね。
それに本人はすごく頑張っていて、やる気を持って努力している場合もあります。上司から見れば確かに至らなくても、成長途中の可能性だってあるのです。そんなときに「やる気を出せ」と言われると、「どんなに頑張っても、自分のことを認めてくれない人なんだ」と思ってしまうのです。
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