37歳で婚活開始、4カ月で結婚した彼女に学ぶ勝因 7年付き合った彼と別れ即行動した彼女の軌跡

✎ 1〜 ✎ 220 ✎ 221 ✎ 222 ✎ 最新
拡大
縮小

ショートパンツ姿の洋介さんはよく日焼けしていて店内に響き渡るような大きな美声を持っている。しかし、なぜか伏し目がちで、話すたびに「エヘヘ」という照れ笑いの量が増えていき、最終的には何を言っているのかわからなくなった。照れ屋なのだろう。

直前まで取材を受けることを知らなかったという妻の友美さん(仮名、39歳)は対照的だ。遠慮なくハキハキと話す。天真爛漫な少女のような雰囲気を漂わせている。専門学校を卒業してから現在に至るまで自由に生活しつつ、やりたいことはすべてかなえてきたらしい。得な性格をしている。

仕事が安定したことをきっかけに婚活を開始

友美さんのほうが明らかに話し上手だが、まずは「言い出しっぺ」の洋介さんから話を聞こう。38歳で友美さんと出会って結婚するまでは結婚を考えたことはなかったのだろうか。定番の質問をすると、洋介さんはいきなり言葉を濁し始めた。

「(女性と)付き合ったことはなくはありませんが、少ないです……。結婚まで考えて付き合ったことはありません。仕事が落ち着いていなかったので考えられませんでした」

洋介さんは学生時代から理系で、卒業後はエンジニアとして北陸にある会社で働いていた。リーマンショックの影響もあって転職を繰り返し、教員を目指して学習塾で働いていた時期もある。現在の勤め先にエンジニアとして返り咲いたのは30代半ば。この頃に少しずつ婚活を始めた。

「この仕事は続くかも、と思ったのと、土日休みなので時間を見つけやすくなったからです……」

やっぱり恥ずかしがって口数が少なくなる洋介さん。その困惑が伝わったのだろうか。さきほどまでご機嫌だった娘さんがぐずり始めた。その世話を洋介さんに任せて、残りは友美さんに話してもらうことにした。

次ページ元カレと別れた後、前を向くため料理教室に参加
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT