スバル「2拠点生活」に込めた未来へのメッセージ 産業の大変革期に求められる「スバルらしさ」

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また、藤井さんは2022年8月からは前述の「ハンガーエイト」の運営も行っている。この地については「南斜面なので冬でも温暖。周辺の住民の皆さんは移住者に対して理解があり、地元の祭事も含めて親交を深めている」と話す。

次に訪れたのは、農地所有適格法人 苗目を運営する井上隆太郎さん(1976年生まれ)宅だ。

井上隆太郎さん(筆者撮影)

井上さんは、都心で企業展示会やパーティ向けの花や植物を使ったディスプレイ提供や、イベントのデザイン・施行を行う会社を経営してきた方だ。鴨川には2014年頃から通って農業を始めていたが、子どもが生まれたことをきっかけに2015年に移住している。

現在は、ハーブやエディブルフラワーの生産、里山での環境再生と採取、そしてレストランや一般向けのシェアファームなどを運営している。

訪問時にも、都内のレストラン関係者らが苗目のインストラクターの指導を受けながらシェアファームで楽しそうに農作業をする光景を目にした。苗目は現在、シェアファームを含めたさまざまなタイプの会員制サービスや事業の実用化に向けて、準備中だいう。

オーストラリアのパーマカルチャーを実践

ヘイミッシュ・マーフィーさんは、オーストラリア出身で、金融業界に27年間勤めていた。東京での勤務生活も長かったが「心の中に(人生の過ごし方に対する)穴があった」と表現する。

ヘイミッシュ・マーフィーさん(筆者撮影)

そうした中、2003年に週末を過ごすための別荘を建てたことが、鴨川市との最初の接点だ。2012年には金融業の仕事を辞め、人と自然が共存しながら持続して生活していく、オーストラリア発祥といわれるパーマカルチャーについて学ぶ。

仲間たちと一緒に野菜や果物を数多く栽培する「食べられる森」という考え方を進め、Uzumeという名称で運営している。例えば、卵を取るためにカモを飼育し、その排泄物を農業に活用するなどして循環型の環境を整備する、といったものだ。

敷地全体は3ヘクタール(約9000坪)あり、その中に新設した自宅は、生活インフラを自給するオフグリッド形式。また現在、最初は別荘として使っていた建物を一棟貸しの宿泊施設として運用するため、改修している。そのほか、2022年からは自宅敷地内で「嶺岡(みねおか)ジビエ」を運営し、ジビエ肉のソーセージの加工と販売も始めた。 

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