【産業天気図・空運業】旅客堅調、貨物好調。ただ燃油費高止まりが利益を圧迫

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2006年3月期の天気は『曇り』。
 当業界は実質的にJALとANAの2社体制で、寡占の国内が収益を下支えし、それに国際旅客・貨物が上乗せする構造。旅客需要は国内・国際とも大幅な伸びは期待できないにしろ、前期を下回ることはなさそうだ。国内強含み、国際小幅増という見通し。国際貨物も好調を持続しよう。
 問題は燃油費。前期の原油価格高騰は日本勢のみならず、世界のエアラインの経営を圧迫した。「今の価格は高すぎる」というコンセンサスはあるようだが、前々期の1バレル=30ドル台には戻りそうにない。JAL、ANAとも1バレル=50ドル台前半で高止まりとの前提だ。旅客・貨物運賃の値上げを行うものの、これだけは吸収できず、IT活用による販売費削減などで対応する。現状では、営業利益横ばいを維持できれば御の字というところ。
 ただ、両社の置かれている状況から、それぞれの「天気」はやや異なる。
 JALは同時多発テロ以降、国際線の需要回復が遅れているところへ、燃油費増に見舞われた。燃油消費量の多い国際線の比率が高いだけにANA以上に打撃が大きい。来期以降、売り上げ重視から採算重視に切り替えるが、体が大きいだけに黒字化目標は2007年3月期。しかも前期は退職給付制度変更による会計上の利益が収益を押し上げたが、これは1期限り。そこで緊急避難的コスト改善策430億円、構造改革的コスト改善策370億円によって営業利益強含みを目指すが、人件費削減は労組との協議もあり流動的だ。また、営業外収益に計上される機材関連報奨額は、会計上問題視されているため、不計上の方向。さらに減損会計で140億円の特損が見込まれ、最終赤字、無配の可能性があると見る。
 一方のANAは、JAL・JAS統合をバネに先んじて対策を打ったのが効いている。機材小型化による搭乗率の向上など効率も高まり、燃油費増でも前期並みの営業利益を達成できそうだ。しかし、こちらも機材関連報奨額については今後計上しない方針なので、経常利益は減益となる。
 新規航空会社ではスカイマークエアラインズが04年10月期で創業以来初の黒字となった。現在は05年3月期の4カ月変則決算で、需要の裏期ながら、小幅黒字を見込む。が、ネットワーク拡大のための新規路線開設が続くため、配当はしばらくお預けだ。
【筒井幹雄記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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