「東京ゲームショウ2022」VR会場は成功したのか? VRを活用する大規模な展示会が増えてきたが…

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「来日できないゲームファンにも日本のゲームコンテンツを届けたいということを意識して、海外のVRメディアで記事を書いてもらったり、海外のVRインフルエンサーに発信を手伝ってもらいました」(西村氏)

東京ゲームショウはゲーム業界向けのカンファレンスイベントであると同時に、多くのファンも集うイベントだ。しかし長く続くコロナ禍により海外のゲームファンが日本に訪れるのが難しい状態が続くなか、TGSVR2022によって日本の最新ゲームコンテンツを知ってもらうことができる。「VRなら距離を超えることができます」(西村氏)と言うとおり、世界各国どこからでも入場できるVR会場のメリットは大きい。

制作側もVRの会場を体験し感動

「TGSVR2022はゲームの中に自分も入っていける、憧れの空間の中でキャラクターと会えるという感覚が強く、ファンの方だけではなくプロデューサーやゲーム開発の方々にも喜んでいただきました。平面のディスプレイを通じて作っていた、自分たちが産み落とした世界に初めて入れた体験から『こんな風になってるんだ。VRだとこんな風に見ることができるんだ』と感動していたんです」(金林氏)

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金林氏の意見にも頷ける。3D CGのゲーム制作に携わっている人でも、それがVRゲームでなければVRの視点でゲームの世界を見ることはまずない。バーチャルとはいえ自分たちが作っているものを眼前にして、あらたな発想力につながることも想像できるし、物理法則を意識せずVRならではの展示を模索できる魅力もある。

PS5やニンテンドースイッチのゲームが好き、ゲーミングPCで遊ぶゲームが好き、スマホゲームが好き。あらゆるゲームのファンが集う東京ゲームショウという舞台で、多くの人にVRを体験してもらうための施策ともなったTGSVR2022の総来場者数は39万8622人で1人当たりの平均滞在時間は約33分とのことだ。なお徹底したコロナ対策がとられた幕張メッセ会場の総来場者数は13万8192人(2019年の26万2076人からは半減)となった。

新たなタッチポイントを創出する場として機能したことが証明されたTGSVR2022。現実とバーチャルを両立させた大規模イベントとして来年以降も注視していきたい。

武者 良太 フリーライター

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むしゃ りょうた / Ryota Musha

1971年生まれのガジェットライター。90年代に出版社勤務の後、フリーライター/カメラマンとして独立。スマートフォン、モビリティ、AI、ITビジネスからフードテックなど、ハードウェアレビューから、ガジェット・テクノロジー市場を構成する周辺領域の取材・記事作成を担当する。元Kotaku Japan編集長。

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