今年は幕張メッセ会場のほか、昨年同様に動画配信が行われ、VR会場ことTOKYO GAME SHOW VR 2022(以下TGSVR2022)も用意された。リアルな場所で開催されることとなったのに、なぜVR会場も用意したのか。その狙いをTGSVR2022のシステムを開発したambr 西村拓也CEOと電通 XRX STUDIOの金林真氏、新家平璽氏に聞いた。
昨年のVR会場で感じた「課題」
2021年に開催されたTOKYO GAME SHOW VR 2021(以下TGSVR2021)は、東京ゲームショウとしてはじめてVR領域にチャレンジした事例となった。VRヘッドセットまたはWindows/MacといったPCの画面からログインすることが可能で、総来場者(アクセス)数は21万566人。内訳としてはVRヘッドセットユーザーが66.7%、PCユーザーが33.3%だった。また日本人だけではなく、世界50カ国以上のゲームファンが集う場となった。
「昨年は、世界三大ゲームショーのなかではじめてのVR会場となり、日本を代表するゲーム会社さんがいちばん大事にされているキャラクターのデータをお借りして実現することができました。そしてアンケートの結果、98%の方が東京ゲームショウのVR会場にまた訪れたいというご意見をくださいました。メディアの方からも過去最高のVR展示会だとお褒めいただき、本当にうれしい結果となりました」(西村氏)
世界最大のクリエイティブの祭典SXSWや、世界三大映画祭の1つであるヴェネチア国際映画祭など、VRを活用する大規模な展示会が増えてきた2021年。筆者がVRヘッドセットを被って体験したなかでもTGSVR2021は、見上げるほど大きなサイズで設置されたキャラクターや、ゲーム内の画面を再現した展示など、現実を補完するものではなく単体のイベントとして優れた内容だった。しかし、西村氏にとっては課題を残したイベントでもあった。
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