「自衛隊は時間にルーズな組織」と米軍が思う訳 元陸自隊員が驚愕した米軍との「文化の違い」
米兵は今話題の「ジョブ型」という考えがかなり強いです。職務内容が明確に定義されているので、違う仕事をやってほしくても「それは私の仕事ではありません!」と断られてしまいます。その人が対応できるような業務であっても、与えられている任務と異なると基本的に対応をしません。これが日本の役所であれば、「他の部署にたらい回しにするな! ふざけるな!」と顔をタコのように真っ赤にして怒る人が出てきそうですが、これが彼らのルールなのです。
また陸上自衛隊では、決定権が指揮官にあるので、それ以外の隊員の一存で何かを決めることは難しいです。このように、陸上自衛隊は基本的に「隊長の指針」をベースに意思決定しますが、米軍は個人の権限が強いので分隊長レベルでも状況判断をガンガン行います。この背景には、米軍は「権限」と「取るべき行動」に曖昧な部分が少なく、現場単位で速やかに状況判断しやすいことが挙げられます。
そうした違いがあるので、日米共同訓練などの打ち合わせでは、自衛隊側が即決せず「持ち帰って判断します」という回答をしがちなので、米軍側は少しヤキモキすることが多いようです。
米軍の指揮官は自衛隊が羨ましいことも?
米軍は物事すべてに明確な境界線を引く傾向が強いので、日米共同訓練でも自衛隊側との作戦の境界が明確です。無条件で助けてくれるのではなく、「あくまでも自分たちの持ち場で戦う。自衛隊は自衛隊の持ち場で戦ってね」というのが米軍なのです。
なんだか米軍のやり方は理想的に思えますが、一方で米軍の指揮官が「上司の考えを察して動いてくれる自衛隊が羨ましい」とぼやいているのを聞いたことがあります。隣の芝生が青いのは米軍でも同じかもしれないですね。
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