「自衛隊は時間にルーズな組織」と米軍が思う訳 元陸自隊員が驚愕した米軍との「文化の違い」

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日本では「時間をしっかりと守る」いうのが当然のマナーですし、特に陸自のますらおたちは時間厳守を叩き込まれています。しかし、米軍から見れば「自衛隊は時間にルーズな組織」と映ることもあるようです。というのも、彼らにとっては「始まりと終わりの時間を破らない」というのが当然のルールだからです。

自衛隊に限らず、日本の組織は開始時刻には非常に厳しいのですが、終わり時間がルーズなことが多いですね。会議の時間は当たり前のように延び、飲み会もダラダラと終わることがなく延びていきます。これは、日本人が「場の空気」を大切にすることが要因だと思います。終了時間が延びたからといって、「ほな、私は時間なので失礼するでおじゃる」と言って勝手に帰ると、戦国時代なら織田信長あたりに打首にされるでしょう。

しかし、「場の空気が支配する文化」がない米軍はそうではありません。終わり時間を守らないことは「他人の時間を奪う」という行為であり、部下の時間を奪う上官は最低の上官なのです。そのため、たとえ戦場であっても可能な限り定刻に終わるように調整をします。どんなに無理な場合でも、一定期間戦場に行ったら一定期間バカンスを与えます。そのようにして、きっちり仕事に従事すべき時間とそれ以外を分けるのです。 

そして誰もいなくなりかけた、日米パーティー

自衛隊と米軍でちょっとだけフォーマルなパーティー(飲み会)をしたときの話です。自衛隊側の調整ミスで式の始まりが45分遅れたため、自衛隊側はそのまま45分遅れでパーティーを司会進行しました。当然、予定解散時刻になっても予定を後ろに倒す形で会は続いていたのですが、なんとパーティーがまだ終わっていないのに米軍側は帰ってしまいました

自衛隊側は「おいおい! マジかよ!?」と唖然としましたが、米軍側にとってはフォーマルなパーティーは半ば仕事と同じであり、本来の解散時間に帰って家族サービスをすることはごくごく当たり前なのです。ただ自衛隊側は「よし! じゃあ俺たちも帰りましょうか」とはとても言えず、そのまま会を進行することになってしまいました。

次ページ肝心の米兵はほぼほぼ帰ってしまい…
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