上司もよかれと思って仕事を減らしてくれますし、実際、妊娠中にどれくらい「無理が利くか」はかなり個人差が大きいんですよね。想定以上のつわりの重さに苦しむ人もいますし、逆につわりが軽かったために動き回りすぎて最後の3カ月間は切迫早産で入院していたという人もいるので、まったく「配慮なし」でも母子に危険が及ぶ可能性もあります。
ただ個人の状況や希望を無視した「過剰な配慮」や、「マタニティ・ハラスメント」に苦しむ事例も多く、できるだけ状況を周囲に伝え、コミュニケーションを取ることが必要と思われます(妊娠中のこうした葛藤とそれを引き起こす要因については、杉浦浩美さんの『働く女性とマタニティ・ハラスメント』が詳しいので、ぜひ読んでみてください)。
続いて復帰後です。
以前の記事では、「子どもを産んでお迎えの時間があることで生産性が上がった」「仕事にプラス面も」という回答が見られましたが、実際のところ、日本の多くの企業の評価軸は「生産性」ではなく、「会社へのコミットメント」です。そのコミットメントは往々にして、長時間労働と「いつでも対応できること」になりがちです。
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