野菜の直売所は、各地の道の駅や一部サービスエリア/パーキングエリアでも見られるので珍しくはないが、ここでは野菜の収穫体験のプログラムも豊富だし、レストランも野菜に特化しているなど、野菜のテーマパークといってもいい徹底ぶりであるところに、力の入れ具合がうかがえる。
筆者が訪れた9月の初めには、この深谷テラスの道路を挟んだ向かい側で、巨大な施設の工事が大詰めを迎えていた。こちらは、三菱地所などが手がける「プレミアム・アウトレット」の国内10番目の店舗として、「ふかや花園プレミアム・アウトレット」が2022年10月20日に開業が予定されている。
プレミアム・アウトレットの新規開業は、
プレミアム・アウトレットは、東名・御殿場ICに隣接する静岡県の「御殿場プレミアム・アウトレット」をはじめ、茨城県の「あみプレミアム・アウトレット」(圏央道 阿見東IC直結)、岐阜県の「土岐プレミアム・アウトレット」(東海環状道 土岐南多治見IC直結)、佐賀県の「鳥栖プレミアム・アウトレット」(鳥栖筑紫野道路 柚比IC直結)など、高速道路のICに近接して広域に集客するビジネスモデルで成長してきたが、深谷市ではプレミアム・アウトレット単発ではなく、深谷テラスパークとの複合化による相乗効果を狙っている。
花園ICは関越道だけでなく、圏央道、北関東道、上信越道とのジャンクションにも近いため、埼玉県内はもちろんのこと、群馬県の東部や西部などからのアクセスも良い。
さらに、開業に先立って、2018年には近くを走る秩父鉄道に、深谷市の請願駅として市の全額出資で新駅も誘致。プレミアム・アウトレットもヤサイな仲間たちファームも、駅から数分でアクセスできる体制を整えた。
IC周辺の変化で街はどう変わるか?
かつては、駅が街づくりの中心であったが、高速道路網の発達、特にネットワーク化が進んで広域からの集客が見込まれるようになると、インターチェンジ周辺が街づくりの新たな核となってきている。そんな流れが、花園ICのプロジェクトを見るとよくわかる。
東北道佐野藤岡ICに隣接し、イオンモールやプレミアム・アウトレットなどが入る佐野新都市なども、どちらかといえば閑散としたJR・東武佐野駅周辺よりもはるかににぎやかな“都心”を形成しているし、新宿駅や東京駅に直行する高速バスの発着バスターミナルまで備えているのを見ると、その思いを一層強くする。
花園ICが、単に首都圏各地から秩父への玄関口という位置づけだけでなく、IC周辺そのものが旅の目的地となり、新しい“深谷市の核”となることを予感させる。10月のグランドオープンで人の流れがどう変わるか、フォローを続けたい。
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