孫23頭!30歳になったパンダ「永明」のすごい過去 日本パンダ史50年で初めて30歳を迎えた
扉の向こうから登場すると、氷で作られた「HAPPY BIRTHDAY」の匂いを嗅いだ雄のジャイアントパンダの永明(えいめい)。その後、室内運動場をチェックするようにゆっくり歩いて1周し、安心したのか、氷のそばに戻って竹を食べ始めた。永明は味にうるさいが、この竹は気に入ったらしい。
和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで暮らす永明はこの日、9月14日に30歳の誕生日を迎えた。1972年10月28日に日本に初めてパンダが来てから、今年でちょうど50年。数カ月間の短期滞在のパンダと生後間もなく死んだパンダを含めると、50年間で約50頭が日本で暮らしたが、日本で30歳を迎えたパンダは永明が初めてだ。
パンダの平均寿命は「野生下で約15歳、飼育下で約20~30歳」「雄は17歳、雌は22歳」など諸説あるが、いずれにしても永明はかなりの高齢。現在、飼育下で生存している雄のパンダで、永明は世界で2番目に高齢とのことだ。
孫は23頭、ひ孫は3頭
日本で生まれて、無事に育った永明の子どもの数は16頭に上る。さらに中国にも1頭いた。永明の精子を中国へ送り、人工授精で雌のシューラン(蜀蘭)が生んだランバオ(蘭宝、2012年死亡)だ。
ちなみにシューランは、永明と交尾して6頭を生み育てた梅梅(めいめい、2008年死亡)の双子の姉。永明は、双子姉妹の姉と人工授精、妹と自然交配で子をもうけたのだ。
日本生まれの16頭の子どものうち、11頭は繁殖のため中国へ渡った。中国が2019年11月に出したスタッドブック(血統登録書)によると、永明の孫は23頭、ひ孫は3頭。スタッドブックは2019年11月を最後に発行されていないので、孫とひ孫の数は、もっと増えている可能性もある。
16頭目の子どもは、2020年11月22日に生まれた雌の楓浜(ふうひん)で、当時の永明は28歳。「世界最高齢で自然交配して繁殖した飼育下のパンダ」という自身の記録を更新した。
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