「2浪、偏差値35」それでも僕が東大を目指したワケ 劣等生だった僕を動かした先生の「ある教え」

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それに対して僕は、「勉強はしています。机には向かっています。それなのに成績が上がらないんです」と反論しました。すると、「こんなに成績が悪いのに、そんなわけがないだろう! お前のその根性が悪いんだ!」と怒られて、母親と一緒に3時間も面談することになりました。

そんなことも経ながら、僕は劣等生の道をまっしぐらで進んでいきます。勉強もスポーツも何も誇れるものがなく、ただゲームや漫画に逃げる毎日を過ごしていました。

「無気力な劣等生」が東大を目指すと決めた理由

そんな人間がなぜ、東大を目指すことになったのか? それは、とある先生との出会いが僕を変えてくれたからです。

それでも僕は東大に合格したかった
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あれは、高校1年生から2年生に上がるタイミングでした。先生に呼び出されて、僕はこんなふうに言われました。

「お前は、このままでいいのか?」「今、お前はすごく中途半端で、何かを成し遂げようとか、こんなことやってみようとか、自分で何かをやってやろうという気概がまったくない。このまま生きていくのか?」

僕の回答はとてもシンプルでした。

「いいんじゃないですか?」と答えたのです。

だって、今までの僕の人生は「そういうもの」だったのです。頑張ったって何もうまくいかないし、どこに行ってもいじめられて、いじられるだけ。

だいたい、努力して頑張ったって、報われるかどうかはわかりません。うまくいかないかもしれないのに、頑張ったって、馬鹿みたいだと思ったのです。

「だから僕の人生はこれでいいんです。このまま生きて、死んでいくだけだと思います」

なんてことを言いました。

しかしその時、先生は僕を強く叱ったのです。「それは違う」と。

その時に先生がしてくれた話を、僕は今でもよく覚えています。

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