スカイ再生のカギ握る「エアバス10機」の重荷

スポンサー候補があまた名乗りを上げたが

この5機はエアバスからリース会社への売却が完了している。にもかかわらず、エアバスが今後納入する5機も含めた10機の引き取りにこだわるのは、なぜなのか。

A330の導入をスカイマークが発表したのは12年2月。当時の為替レートを前提にすると、10機の総額は約1800億円にもなる。ボーイングに日本市場をほぼ独占されてきたエアバスには、競合に一矢報いる商機だった。

ただ、スカイマークと直接契約するリース会社にとって、この案件はリスクの高いものだったようだ。「スカイマークにリースする機体と手を切りたい。売却先はないか」──。

”安全網”が敷かれていた?

スカイマークの包括的な事業スポンサーとして名乗りを上げたANA

13年に入ると、リース会社の米イントレピッドは、日本のある航空コンサルタントにこんな相談を持ちかけている。イントレピッドは10機のうち7機を引き受ける予定だった。関係者によると、当時A330はまだ製造中だったが、急激な円安の進行で、イントレピッドはスカイマークがドル建てのリース料を円滑に払えるか、懸念していたという。

ところが、最終的にイントレピッドは、スカイマークとリース契約を結んだ。航空機リース業界の関係者によると、リース会社が航空会社の返済力などに不安を感じた場合、航空機メーカーは機材購入を後押しする取り決めを結ぶケースがあるという。具体的には、航空会社がリース契約を継続できなくなった場合、航空機メーカーが機体を買い戻すか、機体の対価を補填し、不測の事態でもリース会社の損失を回避するといった内容だ。

こうした“安全網”をエアバスが整えていたのであれば、及び腰だったリース会社がスカイマークと契約したこと、そして今回、エアバス側が売却済みの5機を含む10機の継続利用にこだわっていることにも納得がいく。

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