私たちが〆切ギリギリにならないと頑張れない訳 「努力できる」は才能ではなく工夫である

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夏休みの宿題と違って、大人の勉強には「目標」や「締め切り」がそもそもありません。教養を身につけたい、社会人として身につけておきたいといった内発的な学びや独学であればなおさらです。

それに対して、勉強の達人の多くは、目標の明確化と、目標達成までの行動計画(いつまでに何をやるのか)の必要性を説いていました。

受験日のはっきりしている資格試験に限らず、どんな勉強においても、期限と達成目標を決めておかないと、勉強ははかどりません。

また、勉強法のベストセラーの中には、行動計画を立てることが脳の力を最大限に発揮させることにつながると書かれているものもありました。

「いつ、どこで、どのようにしてゴールに到達するか」「いつまでに、どんな能力をつけるのか」という計画を立てたほうが目標達成の見込みが高くなるのは間違いありません。

達成できる目標の立て方:逆算する・細切れにする

では、計画を立てる際にはどのようにしたらよいのでしょうか。

まず大切なのは、現在を起点に「今の自分にできること」を積み上げるのではなく、「ゴール(目標)から逆算して考える」ことです。ゴールから逆算して、「ゴールと現状の差」「差を埋めるためにやるべきこと」「残された日数」「いつまでに、何をやるか」を明確にしていきます。

進め方は「ゴールと現状の差」と「残された時間」で決める
(出所)『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)

このとき、ポイントとなるのは、「大きな目標」のほかに、なるべく細切れにした目標を立てること。そして、その細切れの目標にも期限を設けることです。

ゴールまでの距離が遠すぎると、到達するまでの道筋がわからなくなって、途方に暮れます。やる気も続きません。そこで、最終目標に向かう途中に中間目標(小さな目標)をいくつか設定します。

たとえば年間の行動計画を立てたら、月単位、週単位、1日単位に落とし込むことで、達成度を把握しやすくなり、着実に前進できるのです。

勉強法の名著の中には、「1日の使い方についても期限を設けたほうがいい」とするものも複数ありました。午前中に何をするか、午後に何をするか、夜に何をするか、と細かく区切ることで、中だるみや時間の無駄遣いを防ぐことができます。

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