民主党は「中間選挙の呪い」を解くことができるか アメリカで問われるのはバイデンかトランプか
中間選挙は11月8日に予定されているが、9月9日のノースカロライナ州の期日前・郵便投票発送を皮切りにすでに本選は開始している。
7月末頃までは「レッドウェーブ(共和党のシンボルカラー「赤」の波)」が押し寄せ、上下両院を共和党(別称GOP:Grand Old Party)が奪還するといったシナリオがほぼ確実視されていた。しかし、直近では「レッドウェーブ」が「ブルーウェーブ(民主党のシンボルカラー「青」の波)」に変色することはないものの、波の勢いは衰え「レッドリップル(赤いさざ波)」程度となるとの見方が支配的だ。
「レッドリップル」にとどまる前兆
政権1期目の中間選挙は、ほぼ毎回、現政権の信任投票となる。前回の大統領選で負けた政党の支持者にとっては過去2年間ほどの屈辱に堪えてきた感情のはけ口となる。そのため、通常は現職大統領の出身政党の支持者よりも反対政党の支持者のほうが選挙への関心が高い。また反対政党の支持者ではなくても、現政権に対する監視役として、中間選挙では議会に大統領の反対政党を送り込むことを望む有権者も多い。
これらの理由から、ほぼ毎回、中間選挙は構造的に大統領の政党に不利に働くため、「中間選挙の呪い」と呼ばれる。過去1世紀で大統領の政党が下院で議席数を増やすことに成功したのは1934年、1998年、2002年のわずか3回のみだ。つまり、今回も民主党にとっては構造的に不利な戦いとなることが予想されてきた。
現政権の信任投票となる中間選挙で最も重要となる指標が大統領の支持率だ。大統領支持率と中間選挙での大統領出身政党の下院議席数の減少幅の相関関係は強い。バイデン大統領の支持率はやや回復しているものの2022年9月15日時点で43%だ(リアル・クリア・ポリティックス世論調査平均値)。これはトランプ前大統領の2018年中間選挙直前の世論調査平均値と同水準で、このとき、共和党は下院選で40議席以上も失っている。
だが、世論調査結果の詳細を見ると過去の中間選挙と今回では様相が異なることがわかる。
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