なお、第3主成分と第4主成分はGoToトラベルによる宿泊費の変動や格安プラン導入による携帯電話通信料引き下げの影響だった。これら4つの主成分によってCPIコアの品目別寄与度の変動の約95%を説明することができる。
一時的な要因を除くと、なお低インフレ
他方で、前述した第1~4主成分の動きはいずれも日本経済にとっては「一時的要因」と考えることができる。したがって、これらの影響を除いた第5成分以下の合計が日本の「インフレの実力」といえる。これを「主成分CPIコア」と呼ぼう。これを、①CPIコア:生鮮食品を除く、②日銀版CPIコア:生鮮食品及びエネルギーを除く、③欧米型CPIコア:食料(酒類を除く)及びエネルギーを除くの3つと比較してみた。
「主成分CPIコア」は変動が小さく、足元で上昇しているものの、水準は1%未満である。ここからわかることは、日本は短期的にも日銀の掲げる「2%のインフレ目標」を達成していないということだ。
トピックボードAD
有料会員限定記事
政治・経済の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら