21年の差し止め実績は34万点
先日、ラルフローレンなどの偽ブランド品を、フリーマーケットアプリで販売するために500点以上も所持していた会社員の女性が、商標法違反の容疑で書類送検されるという事件がありました。
いわゆるハイブランドを中心とした従来のラグジュアリービジネスは、偽物(フェイク)の問題にも常に悩まされてきました。本物に高い価値が与えられる一方で、偽物をいかに排除していくかは、こうしたビジネスにとって大きな課題のひとつ。財務省の統計によれば、2021年上半期の商標侵害品の輸入差し止め実績は34万点で、前年同期比8割増とのこと。取り締まりの目をすり抜けている偽物も相当数あると推測されます。
ハイブランドの偽物には、高品質で精巧なものも多くみられます。とりわけ「スーパーコピー」と呼ばれる偽物は、たとえば時計の場合、なかには品質保証までつくものもあって、素人の目で見分けることはほぼ不可能だといえます。
現在、多くのハイブランドがリセール市場(二次流通市場)にも参入しています。その主な目的は「市場から偽物を排除すること」。もはや本物をつくったブランド関係者しか見分けられないため、ブランド側が直接、リセール市場に参入し、「認定中古」と呼ぶジャンルをつくって本物の価値を守り続けているのです。