学校では「維持できない部活動」変える逆転の発想 忍び寄る少子化と教員不足をどう乗り越える

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近隣の中学でも1校では人数が集まらない部活が出てきていた。ならば、合同チームを作って試合をさせたらどうかというアイデアの下で始まったのが、部活動の地域クラブ活動化だった。

八重樫氏は公立校の教員を退職したが、部活動の地域移行が本格的に叫ばれるようになった今、八重樫氏と近隣中学校長がはじめたこの取り組みが注目を集めている。

少子化の進む現在、同校のように子どもの数が足らずに成り立たない部活を抱える学校は全国に多く存在する。学教教育の一環として教育指導要領に位置づけられてきた部活動をどう運営していくのか、小規模校こそ部活動の地域移行が必要となっている。

部活動廃止にまで踏み込んだ千代田国際の狙い

東京都千代田区にある私立千代田国際中学校。共学化と名称変更に伴い校長となった日野田直彦校長が宣言したのは「部活動の廃止」だった。

千代田国際中学校は千代田女学園中学校・高等学校を前身とする学校で、昔は1学年の生徒数が200人を超える時期もあった。しかし最近は少子化と、子どもの女子校離れの影響で入学者が激減、定員割れの状態が続いていた。

2016年に学校法人武蔵野大学との法人合併により一時期、生徒募集を停止。高校は国際バカロレア認定校となり共学化し、武蔵野大学付属千代田高等学院の名前で再開したところだ。

中学も校名を変えて共学化、そして、共学化1期生をこの春に迎えたばかりの学校だ。入学者数は74人でまだまだ小規模校と言える。近年の資料を見ても、共学化前は全校生徒で130人ほど。それでも、吹奏楽部、美術部、香道部など、限られてはいたが、部活動が存在した。それもすべてやめるというのだ。

日野田校長はいう。

私立千代田国際中学校の日野田直彦校長

「日本の部活動はやり直しができません。一度入部してやめたら“途中でやめた人”というレッテルを貼られてしまう。そうではなく、もっと柔軟にスポーツや文化活動を楽しんでやってもらいたいという思いがあります」

自身が帰国子女でもある日野田校長は、とくに日本のスポーツ部活動に疑問を抱く。

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