何か新しく行動しようとするときに、「うまくいかなかったらどうしよう」と不安で動けないケースは少なくありません。「不安や心配事と上手に付き合う」とは、よく言われますが、トラウマレベルになってしまっていることで、動き出せない人もいるかもしれません。
その場合は、不安や心配事を客観視するために紙に書き出してみると効果的です。
書き出す=脳によい効果をもたらす
なんてことのないように思えるかもしれませんが、書き出すというアクションは、私たちが思っている以上に、脳によい効果をもたらします。
シカゴ大学のラミレスとベイロックは、大学生を被験者としてテストをしてもらうという実験を行っています。その際、学生たちが不安やプレッシャーを感じるような仕掛けをほどこしました。
その内容とは、「テスト内容が難しいこと」「試験のスコアによってお金がもらえること」「テストを受けているときの様子をビデオで撮影し、その映像をあとで教員と学生とで観る」というルールを設けたのです。このような条件が付けられれば、イヤでもプレッシャーを感じてしまいます。
そのうえで、被験者の学生たちを3つのグループに分け、テスト前の10分間それぞれ別々の行動をしてもらったそうです。
②テストについての自分の感情、考えを書き出すグループ
③今の気持ちなどとは全く関係ないことを書き出すグループ
そして、各グループの正答率を比べるという具合です。
気になる結果は、①「何もせず座っていたグループ」と③「気持ちとは関係ないことを書き出したグループ」の正答率は7%下がり、一方で、②「感情や考えを書き出したグループ」の正答率は4%上がったというから驚きでしょう。
受験や資格試験などでは、1問2問の差で合否が変わってくることもありますので、この正答率の差はなかなか無視することはできません。
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