「皇室SNS」開設で宮内庁が抱える"炎上のリスク" 国民1億3000万人の「いいね!」の狙い
こうした課題をクリアすれば、公式“皇室SNS”への期待は高まる。前出の君塚教授は、次のような効果を挙げる。
「皇室の正しい情報、発信したい情報を国民に伝えられます。特にSNSを使いこなしている若い世代が皇室に関心を持つことにつながります。現状では“皇族は普段、何をされているのだろう”と、その日常が正しく伝わっていません」
皇室に適したSNSとは
そこでSNSを使い、まずは皇室の日常を知らせる。
「最新の情報を写真と一緒にアップして、高頻度で更新すれば“これだけ大変なことをなさっているんだ”ということを国民にわかってもらえる。そうすれば“皇室は大切なんだ”“自分たちや世界のためにこれだけのことをされているんだ”と思ってもらえるはずです。
現状は皇位継承や皇族数の確保の問題も、さほど盛り上がっていません。政治家や有識者がやみくもに会議を開くより、老若男女、とりわけ若い世代に皇室の現状を理解してもらうべきです」(君塚教授)
前出の三上さんも、皇室SNSのメリットを挙げる。
「海外へのアピールにもなります。英語などで発信すれば、日本の皇室を海外に知ってもらうことができます」
さらに重要なのは、アナウンスが“公式”であること。
「報道やネットの書き込みに反論するわけではなくても、ちゃんとした公式のアナウンスができるようになります。今までのアナウンスは、あくまでメディアを通じたもの。SNSであれば、国民に直接的なアピールができます」(三上さん、以下同)
具体的な運用はこれから検討されるのだろうが、どのSNSが使われるのだろうか。
「写真の投稿がメインとなるインスタグラムなら、これまではメディアを通して公開してきた普段のお姿や公務の様子を“公式”として発表できるので適していると思います。フェイスブックやツイッターもありますが、いざというときにコメントをオフにしづらい点がちょっと心配です。なんにせよ、国民と直接向き合えるツールとしてSNSを利用することは、皇室にとっても日本にとってもいいことだと思います」
皇室の投稿が、国民1億3千万人の「いいね!」を獲得する日は来るのか?
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