「小学校受験」と「中学校受験」選択するポイント 日能研関東代表に聞く2022年の最新受験情報

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——思考力、観察力、推測力、論理的思考などが求められてきていますね。 

小嶋:そうです。例えるなら、以前は ”スピード勝負の、1つの答えを当てはめるジグソーパズル”的な考え方でしたが、今は「これで何ができますか?」という”ブロックパズル”的な考え方と言えます。「このブロック100個で、馬車が作れます、お城が作れます」というような創造性を求めるイメージに近いですね。 

以下は、過去に麻布中学校の試験に出たドラえもんの問題です。こうしたいくつかの必須キーワードを用いることを前提に、自分自身の考えを論理的に述べさせる問題も出てきています。 

例)右図は、99年後に誕生する予定のネコ型ロボット「ドラえもん」です。この「ドラえもん」がすぐれた技術でつくられていても、生物として認められることはありません。それはなぜですか。理由を答えなさい。 
<麻布中学校 入試問題より> 

ICT教育や大学現役合格率の高さも、中学受験の理由に 

——私立中学校では、ICT教育や、外国語への取り組みもかなり増えていますね。 

小嶋:そうですね。帰国子女の受け入れも増えていますし、在学中の短期留学システムもかなり豊富になり、多くの学校で実施されています。こうしたことから ”私立の学費は高いが、公立とは違う教育を受けられる”と受け取る保護者が増えているのではないでしょうか。 

また、大学への「“現役”合格率」を上げている私立学校も多いです。都内私立高校の3番手・4番手グループの学校ですと、60%を超える学校も出てきます(次ページ図参照:1番手は紫、2番手は水色、3番手は緑、4番手はオレンジ部に示されます) 

一方、地方の偏差値の高い、いわゆる名門公立高校からトップ大学への昨今の“現役”合格率は伸び悩んでおります。一都三県の公立高校の3番手・4番手グループの学校の、有名大学(東大・早稲田・慶應・上智あたりのクラス)への合格率は平均10%未満だったりします。つまり、名門公立高校では、浪人をして合格を得ている生徒が多いというのが現状です。 

こうした数字を見ますと、大学進学を考えている場合、「通塾代や浪人をする費用を含めたら、もしかしたら私立の方がトータルの教育費を抑えられるのでは?」と考えられる保護者の方もいらっしゃいます。 

次ページ塾の機能を併せ持つような私立中・高も多い
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