「小学校受験」と「中学校受験」選択するポイント 日能研関東代表に聞く2022年の最新受験情報

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——親も口コミサイトやママ友の噂など表層的な情報だけに頼らず、正しい情報と深い理解が必要ですね。近年の受験の傾向・特徴としては、どんなことが言えますか? 

小嶋:まず昔に比べて小学校・中学校含めて私立学校の数そのものが、すごく増えたことが挙げられます。昔からの学校が、名前を変えて生まれ変わったり、女子校から共学になって新設したりと、今なお増え続けているのです。 

例えば、明治大学が、東京都世田谷にある日本学園という学校と協定を締結、「明治大学附属世田谷中学校・高等学校」という学校が3年後にできる計画です。数年前には横浜英和女学院中学高等学校という女子校を青山学院が系属化しまして、現在共学化して「青山学院横浜英和小学校・中学高等学校」として大変人気が出ています。そのほか、「広尾学園中学校・高等学校」、「芝国際中学校・高等学校」なども旧女子校が共学化して大変人気が出ている代表例ですね。 

また東京以外の地方に目を向けますと、東海地区には全寮制の「学校法人海陽学園・海洋中等教育学校」が約10年前にできていますし、少し古いところで言いますと関西地方では、約15年前に関関同立という名門私立大学の附属小学校が一気に設立されたという経緯があります。このように、未だ進化し続けているのが私立学校の特徴です。 

子供たちに求める力が大きく変わってきている

——新しい私立学校が生まれ、それに伴い時代に即した新しい教育内容を掲げた学校が生まれつつもありますね。 

小嶋:はい。ここにきて学校の教育目標、子供たちに求める力が大きく変わってきています。それは入試問題を見ていただきますと、一目瞭然なので、以下の解答用紙の模範をご覧ください。 

◇解答用紙のBefore&After◇ 

(写真:Domani)

このように、中学受験は、昔は暗記・詰め込み的な穴埋め・選択式問題が多かったのですが、今は「あなたの考えは何ですか?それはなぜですか?」と、その子の考え方を問い、表現させる記述式の問題が確実に増えています。つまり「答えが一つではない問い」というものですね。 

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